プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2024年度版)」を作成した。調査対象会社3744社のうち、「陸運業」に分類される企業は62社だった。1位はヤマトホールディングスの1191.7万円だった。平均年収ランキング「陸運業」編をお届けする――。(第6回)

1位はヤマトホールディングスの1191.7万円

プレジデントオンラインは、東証33業種の「陸運業」に分類される企業62社の平均年収ランキング(2024年版)を作成した。

基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2023年10月期~2024年9月期)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

今回調査した陸運業に属する企業のうち、トップ10社の従業員平均年収額は865.6万円だった。表にしたランキング62位までの従業員平均年収額は627.4万円。ちなみに全国平均(3744社)は652.2万円となっている。

物流業界が年収アップしているワケ

陸運業を営む企業の「給料トップ」はヤマトホールディングスだった。平均年収は前年から49.7万円増加し、1191.7万円。全62社のうち、唯一1000万円台に達している。

ただ、同社は持株会社なので、一般的に従業員数が少なく役職者や幹部クラスが中心となるため、平均年収が高くなりやすい。

ヤマトホールディングスの2024年3月期業績は、営業収益が前年比420億円のマイナスとなる1兆7586億円。営業利益、当期純利益もともに前期比でマイナス成長だった。

有価証券報告書を見ても、平均年間給与が上昇している一方で従業員数は減少している。単純に「従業員数×平均年間給与」で計算すると、2022年度は2億3983万円だったのに対して2023年度は2億1452万円。総支払額は2500万円ほど減少している。

陸運業界の平均年収2位は、NIPPON EXPRESSホールディングス。前年からの上昇幅は全62社中で最も大きく117.0万円で、平均年収は937.7万円となった。

こちらもヤマトホールディングス同様、業績は前年度から減少している中での給与アップだ。ただ、こちらはヤマトホールディングスと異なり従業員数×平均年間給与で算出した総支払額が1億円近く増加している。

物流業界の大手が厳しい業績でも賃金アップを実現している背景には、深刻な人手不足がある。少子高齢化で業界を問わず働き手が不足している中、特に物流業界は厳しい。

帝国データバンクによると(※)、2024年度に人手不足による倒産(法的整理、負債1000万円以上)が起きた件数は350件。業種別にみると建設業の111件が最多で、続いて物流業(42件)となる。

(※)出典=帝国データバンク「2024年度の人手不足倒産2025年4月4日報」(参照=2025年4月9日)