プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2024年度版)」を作成した。調査対象会社3744社のうち、中部地方に本社のある企業は433社だった。中部地方で平均年収が1000万円を超える企業は4社、1位は1265万円のしずおかフィナンシャルグループだった。「中部編トップ200社」をお届けする――。(第4回)

中部編TOP200社の平均年収は708万円

プレジデントオンラインは、中部地方9県(愛知、静岡、山梨、長野、岐阜、新潟、石川、富山、福井)に本社を置く企業(※)の「社員平均年収ランキング(2024年版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2023年10月期~2024年9月期)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

※本社の位置は、有価証券報告書に書かれた「本店の所在の場所」に準じている。

今回調査した中部地方の全433社の平均年収は597.2万円だった。ちなみに全国平均(3744社)は652.2万円である。

表にしたランキング200位までの従業員平均年収額は703.3万円。平均年収が1000万円を超える企業は4社だった。

「三大地銀」の平均年収

中部拠点の企業「給料トップ」は、しずおかフィナンシャルグループ(FG)だ。前年から0.5万円の減少だったが、1265.4万円で首位に輝いた。

同グループは静岡銀行を中核としており、売り上げに当たる業務粗利益は前年比6.6%増の1538億円(2024年3月期)。経常利益とともに過去最高を記録した。同社によると、静岡銀行の預貸金残高は地銀トップ水準であり、近年は県内にとどまらず県外での住宅ローン残高も成長している。

静岡銀行ならびに横浜銀行、千葉銀行は地銀の中でも存在感が大きく「三大地銀」と呼ばれる。横浜銀行が属するコンコルディアFGの平均年収は961.4万(従業員数5名)、千葉銀行は766.3万円(同3691名)であり、有価証券報告書上の平均年収では、しずおかFGが頭一つ抜けている状況だ。

付記しておくが、千葉銀行の平均年収は同業種の中では上位だ。FGは金融機関の持株会社であるので、一般的に従業員数が少なく役職者や幹部クラスが中心となるため、平均年収が高くなりやすい。しずおかFGとの差はこの点にある。

しずおかFG以外にも、銀行業がトップ10に複数ランクインした。7位のあいちFGは、前年から1.1万円減少の977.2万円。同グループでは、今年1月に傘下の愛知銀行・中京銀行が合併して「あいち銀行」が誕生している。10位のほくほくFGは同45.2万円減の923.2万円だった。

2位は豊田通商。しずおかFGとは2.9万円差だった。前年比で82.1万円増加し、平均年収は1262.5万円だった。トヨタグループの総合商社として、営業利益の大半を自動車関連事業で生み出している。

アフリカでのビジネスも好調で、2024年3月期は前年比17.9%増となる2548億円の営業利益を叩き出した。事業全体でも同8.6%の成長を見せており、給料および手当は前年から20億円以上の増額となった。

以下は産業用ロボットメーカーのファナック(1238.4万円、前年比45.3万円減)と中部日本放送(1181.6万円、同7.5万円増)が続く。平均年収1000万円を超えたのは4社だった。