たためばAndroidかWindowsのタブレット、開けばノートPCになるYOGA BOOK。手書きの文字や絵をデータ化できるペンタブレットは板状のキーボードを兼ねており、「タッチキーボードなのに意外と入力しやすい」と評判だ。その秘密は、ThinkPadを生んだ大和研究所にあった。【記事の最後に商品の企画書を掲載】
・ノートPCとしても、タブレットとしても、ペンタブレットとしても使えるデザイン
・厚さ9.6ミリ、重さ690グラム、バッテリー起動時間は約13時間
・タッチキーボードなのに、物理キーボードに迫る精度でキー入力できる
・紙にメモを取りながら同時にそれをデジタル化
・OSはAndroidとWindows 10から選択できる
・SIMカードを入れて携帯電話回線でインターネットに接続できるモデルも
タブレットとしてもPCとしても使え、手書き入力にも対応
Lenovo(レノボ)のYOGA BOOKは、2016年9月に発表された、10.1型のフルHD(1920×1080ドット)のディスプレイを備えた2-in-1型デバイスだ。ヒンジを回転させることで変形し、キーボード部分を折りたためばタブレットとして、開けばノートPCとして利用できる。OSがAndroid 6.0とWindows 10から選べる。
たたんだ状態で厚さ9.6ミリ、重さ690グラムと薄くて軽い上、バッテリーも約13時間もつ。Android版は4万円台、Windows版は5万円台と価格も手ごろなこともあり(Microsoft Office付属モデルを除く)、10月に発売されたあとすぐに売り切れ、在庫不足が続くほどの人気を博している。
YOGA BOOKの最大の特徴は、ノートPCであればキーボードがある位置に、「Haloキーボード」というタッチキーボード(後述)とペンタブレットを切り換えて利用できる機能が用意されていること。電源を切った状態だと真っ黒な薄い板に見えるが、バックライトをつけるとタッチキーボードとして動作し、切ると付属のペンを使ってペンタブレットになる。
付属のペンはボールペンにもなるので、紙を載せてペンで文字やイラストを書くと同時にデジタル化される。取ったメモをその場でデジタル化できるので、手書きのメモをメールに添付して送ったり、絵を描いてPowerPointの資料に取り込んだりとさまざまな利用法が考えられる。
タッチキーボードとは、タブレットなどにソフトウェアで表示したキーボードのことだ。iPadなどに搭載されているキーボードを使ったことがある人ならご存じの通り、キーを打てば沈む物理キーボードに比べると、タッチキーボードは格段に打ちづらい。キーを押した感触で指に伝わらない上、キーを正しく打てているかが目で見ないと分からないので、どうしても打つスピードが上がらないし、ミスタイプも多くなる。タッチキーボードで、パソコンと同じようなスピードで文章を入力できる、という人はまずいないはずだ。
ところが、YOGA BOOKのタッチキーボードは、物理キーボードに迫る入力精度を実現しており、「タッチキーボードなのに、ちゃんと打てる」と話題を呼んでいる。今回はこのキーボードを開発したレノボ・ジャパンの大和研究所に取材を行い、レノボ本社に提出したHaloキーボードの企画書を見せてもらった。