代表選考を巡るトラブル

リオデジャネイロ五輪が迫ってきた。

日本が送り込む選手団は総勢331人(7月19日現在)。派遣選考レース、競技会は長い間かけて行われてきた。つまり、331人分の選考ドラマがあったわけだ。

「選考に備える努力」は前回五輪(選考会)が終わった瞬間から始まっている。正味4年間を費やしているのだ。代表選手は、その年月が正当に評価されたが、その他の選手の中には正当に評価されなかったため、代表入りを逃したケースもあるかもしれない。

今回レポートするのは冬の競技に関することである。アスリートたちが戦っているのは、レースだけではないことがよくわかる事例となっている。

去る6月27日、女子スケルトン選手の4名が連名で「日本ボブスレー、リュージュ、スケルトン連盟」を相手取り、日本スポーツ仲裁機構に申し立てを行った。

連盟に対して申し立てをしたスケルトンの中山英子選手

その内容はこうだ。

今年の秋以降のワールドカップなどを含む海外派遣試合の選考レースのひとつが8月の上旬に行われるが、この大会は例年だと9月の開催だった。ところが、その変更は連盟からは一部の選手にしか通達がなかったという。

実は、実績のある3名の選手は選考対象外とすることが決定されていて、選考レースは全選手平等に行われず、同じスタートラインに立っていない状況だったことになる。

代理人の岡村英祐弁護士は記者会見で次のような点を連盟に求めた。

●2016、17年の3人の選手を選考の対象選手から外すことの取り決め、決定の取り消し。
●申立人らが未だに選考対象の地位にあることの確認。
●選手選考の基準など、海外派遣事業計画の見直し。