ハワイじゃない。一流は今、スリランカへ行く?
夏休みの定番海外旅行先といえば、ハワイだ。イギリスのEU離脱の影響による円高のメリットを享受すべく、今夏も家族連れでバカンスという家庭も多いだろう。しかし、「旅の目利き」たちは最近、同じ南の島でも、ハワイとは真逆の方向を目指しているという。
インドの南東にある島、スリランカだ。
スリランカ……ちょっと調べてみると、緑豊かな国土には世界遺産がたくさんあり、島全体が半ばパワースポット化しているらしい(宝石=パワーストーンが大量に採掘される)。ジャングルクルーズもできれば、ホエールウォッチングもサーフィンもできる。もちろん食事やスパイスのバリエーションも豊かだ。アーユルヴェーダの本場でもある。
なかなかよさそうだ。が、他の南の島でも、似たような経験はできるかもしれない。私がスリランカに一番ひきつけられたのは、前述したネイチャー感がほとんど手つかずで残されているということだった。自然というより密林。世界で一番オゾン層が少ない場所といえそうなほどである。つまり、欧米化もされていないし、ほとんど観光地化もされていない。読者の皆さんと同じように東京でアクセク働く日々の私。この時点で、スリランカに呼ばれているような錯覚に陥った。
ところで、なぜ、スリランカは手つかずのままなのか。
それは、つい最近まで、国内で内戦が繰り広げられていたからだ。2009年にその内戦も終結し、政権が変わったことで穏やかになった。ようやく安心して旅行できる国になったのだ。
加えて朗報だったのは、物価が日本の5分の1(首都コロンボは2分の1くらい)と財布にやさしいこと。さらに日本から直行便の飛行機があり(9時間)、時差も3時間半と、「真逆」の方向のハワイに行くより、ずっと体への負担が少ないことだ。
これは、ほおってはおけない。いざスリランカ! と6月半ば3泊5日で現地を訪れた。
インドの直下にある、面積が北海道の0.8倍の仏教国。緑に抱かれた島で密林が多い。火山はなく、よって地震もほとんどない。食事はカレーが中心だが鰹節を使用するなど、日本人の口によく合う。アマンリゾートが影響を受けたジェフリー・バワの建築は必見。ホエールウォッチングでは絶滅危惧種のシロナガスクジラに出会えることもある。