経営者や弁護士の男性も単独で訪れる

今回の私のツアーをカスタマイズしてくれた秘境に強い旅行代理店PINKの担当者によれば、「訪れる8割が女性のおひとり客です。ただ、日本人男性も最近は増えていて、会社を経営されている方や、公認会計士、歯医者、弁護士といった職業の方が単独でスリランカを訪れることが多いようです」。

(上)日本人の旅人たちが置いていった本(下)鰹節を使った惣菜は絶品 

彼らも女性同様に、部屋にテレビもwifiもないこの密林のオアシスへ、ひとりで来てはストレスを吐き出し、リセットする。部下や家族抜きで、たったひとり、次のビジネス戦略でも練っているのかもしれない。

個人的に思うのは、メタボな体形を改善しようと空腹に耐える伊豆の断食道場に高額出費するならば、後述する充実の食事(3食)と午前と午後のアーユルヴェーダ、そして毎日ヨガが付いたツアー(18万円~)のほうがいいのではないかということだ。痩せないかもしれないが、デトックスはできる。頭と体のキレが戻る。

誰かに邪魔されず、他人に気兼ねせず、「密林で自分と向き合う時間」を持てるのは、日本国内はもちろん、ハワイや他のアジアの観光地では難しい。それが、この宿泊施設まで来る理由ではないか。

彼らを見ていると、まるで映画かドラマのワンシーンを見ているようだった。みんな3泊5日の物語の主人公になっているように見えた。

では、なぜ、スリランカが旅の目利きに注目され始めたのか。旅の魅力を説明しよう。下記は、私が過ごした1日の主なスケジュールだ。

【ある日の過ごし方
6:00 鳥のさえずりで起床→レストランで胃にやさしい緑のハーブ粥と白湯
6:30 敷地内のヨガ道場へ移動。鳥の声を聞きながらヨガ1時間
7:30 レストランにもどってカレー・野菜・果物など大満足の朝食
8:45 ドクターの問診、体質診断後、アーユルヴェーダトリートメント(約2時間)
12:00 テーブルいっぱいの充実した昼食 
14:00 午後のアーユルヴェーダトリートメント(約1時間)
フリータイム 敷地を散策・読書したりオプショナルツアーへ出かけたり
19:00 蒸し野菜中心の夕食(鶏肉もあり) 
21:00 虫の声を聞きながら読書後、就寝

・ 朝は鳥のさえずりですっきり起床できる。「もう少し寝ていたい」という感覚はない。鳥の声、微かな香の香り、陽が昇り少しずつ辺りが明るくなる中で、風を感じながらのヨガはカラダを目覚めさせるのにちょうど良い。
・ 終日、「喧騒」とは無縁。密林に身を委ね、静かに自分を解きほぐすことができる。
・ wifiもテレビもないので、脳が休まる。
・ 朝食は自家栽培&オーガニックの野菜や果物、スパイスなどから作られている。
・ 朝食をとるオープンなレストランでは、間近に遊びにくるハチドリやリスをみることができる。
・ 食後はアーユルヴェーダで全身浄化のフルコース。
・ 美人ドクターが脈を計測し、体質をチェックしてくれる。
・ 宿泊施設からは数々の世界遺産に足を伸ばすこともできる。