「3連覇ができる確率は0%」。青山学院大学陸上競技部長距離ブロック監督の原晋さんは前回(2025年)の箱根駅伝を制して2連覇した直後、チームにこう言った。その“底辺チーム”がなぜ、今回(2026年)、3連覇を達成したのか。監督自らが「マジックの種明かし」をしてくれた――。

※本稿は、原晋『決定版!青学流「絶対王者の鉄則」』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

原 晋 青山学院大学陸上部監督
写真=共同通信社
原 晋 青山学院大学陸上部監督(箱根駅伝、2025年1月3日撮影)

人が入れ替わっても勝ち続けるのには理由がある

なぜ青山学院大の駅伝チームはこんなにも強いのか。

これは、よく聞かれる質問です。

なぜ強いのか?

そこには、こんな疑問も含まれているようです。

学生スポーツは選手が毎年入れ替わるのが必定。どれだけ強いチームをつくりあげても、いつか主力の選手たちは卒業していく。それなのにどうして勝ち続けられるのですかと。

箱根駅伝に限って言えば、私たちは直近10年で7回の総合優勝を成し遂げています。その前には4連覇がありましたから、11年で8回の優勝。これはかなりの高確率です。

なかには、低い下馬評をひっくり返して勝利をつかんだこともありました。ただし、こうした結果も、私からすればそう驚きではないのです。

勝つための条件は2つ

いきなり結論的なことを言えば、勝つための条件は大きく分けてふたつです。

まずひとつは、正しいメソッドを持っているかどうか。メソッドとは、「勝つための育成論」とも言い換えられるでしょう。2018年1月3日に史上6校目となる4連覇を達成したとき、勝つためのメソッドがほぼ完成しました。やはり勝利には、選手の実力を正しい方向に伸ばすための育成術が不可欠です。

そして、もうひとつの条件が、勝つために本当の努力をしているかどうかです。

努力とはきわめて主観的な言葉ですから、誰だって「自分は努力をしている」と言うことはできます。ただ、それが他人の目から見た場合にはどうでしょう。自分はまだ甘かった、と気づかされることも多いのではないでしょうか。

2004年4月に青山学院大体育会陸上部長距離ブロック(以下、青学大またはチームと略)の監督に就任して以来、私は常に他人から見ても「ようやっとる」と言ってもらえるような努力を続けてきました。100%ではなく、200%の努力をしてきた、と胸を張って言うことができます。