勝因は、7人制に特化した継続強化
隔世の感がある。9日夜の羽田国際空港。香港から帰国した7人制ラグビー(セブンズ)の日本男子代表が、ファン150人、報道陣50人の約200人の出迎えを受けた。
空前のラグビー人気に瀬川智広ヘッドコーチ(HC)はこう、驚いていた。「いつもは海外からひっそり帰ってくるんですけど……。15人制の(W杯での)活躍があったり、オリンピック予選ということだったりして、ちょっと(注目度が)普通じゃないですね」
あの15人制のワールドカップ(W杯)イングランド大会での日本代表の活躍がラグビーブームに火を付け、セブンズのリオデジャネイロ五輪アジア予選での日本男子の優勝がその火勢を強くした。来年のリオデジャネイロ五輪の出場権獲得である。快挙である。またもラグビーの新たな歴史を創った。
なぜセブンズの日本男子は強くなったのか。15人制と同じく、「周到な準備」と「ハードワーク」、さらには「練習環境の改善」があったからだろう。
これまでセブンズはチーム編成に苦労してきた。日本ラグビーでは15人制が主流となっている。だから、セブンズの選手は15人制との掛け持ちとならざるをえない。かつては、所属チームがセブンズの代表チームへの選手派遣を嫌がったケースも多々ある。
でも、セブンズが五輪競技に入って、流れが変わった。所属チームの7人制への理解が深まったのだ。日本ラグビー協会は強化に本腰を入れ、所属企業から長期の選手拘束の許可を得るなどし、セブンズに特化した練習ができるようにもなった。