水泳・千葉すず選手の場合は……

今回のスケルトン以外の競技では、過去にも選手が選考を不服として国際裁判所に仲裁を申し出たケースがある。

シドニー五輪の時の水泳・千葉すず選手だ。

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選考レースで国際標準記録を破ったが、日本代表には選ばれなかった。この時、裁判所は、千葉すずの訴えは全面的には認めなかったが、日本水泳連盟の派遣の決定は曖昧さがあるとして、裁判費用の一部を連盟が負担するようにという判決を出した。

当時、千葉は言いたいことは言う、「歯に衣着せぬ物言い」の選手として、連盟などにとって、やっかいな人物だったようだ。また、練習拠点をカナダにしていたことも当時は異色だったかもしれない。

また大会代表選考ではないが、2012年12月、女子柔道選手が監督から暴力、パワハラを受けた、とJOCに告発した事例がある。

この時はロンドン五輪代表を含む15選手の連名だった。監督、コーチから合宿中、平手や竹刀での殴打や暴言が行われていた。

その後、監督が辞任したが、選手は「監督の辞任だけでは問題の解決にはならない。パワハラを行ったのは園田監督だけではないですよ」と怒りは収まらなかった。

代理人は「なぜ指導者の側に選手の声が届かなかったのか、選手、監督・コーチ、役員間でのコミュニケーションや信頼関係が決定的に崩壊していた原因と責任が問われなければならない。

強化体制や、その他連盟の組織体制の問題点が明らかにされないまま、ひとり前監督(園田氏)の責任という形をもって、今回の問題解決が図られることは決して私たちの真意ではありません」と全柔連に指導体制の抜本的な見直しを求めた。