慕われる上司には多くの情報が集まる

いま、ドン・キホーテグループには5000人の社員と2万人のメイトと呼ばれるパート、アルバイトが働いている。彼らは年齢や性別、職歴、国籍、趣味など多種多様だ。それこそダイバーシティ型の組織があるべき姿なのである。というより、それゆえ会社は成立すると考えたほうがいいだろう。

ドンキホーテHD 安田隆夫創業会長兼最高顧問

とはいえ、一緒に仕事をしていくうえでの相性はある。同僚と性格が合わないとか、部下が反抗的という問題は、どこの会社にもある。そんな相手には静観するか、前向きに関わっていくかというのも、悩ましい問題で、どうしてもストレスが増える。

黙っているか、少しでも理解し合える努力をするかはケースバイケースだろう。人間にはだれしもいい面もあれば、悪い面もある。少なくとも、社内でそれに一喜一憂してストレスを溜めこんでいては身が持たない。人は千差万別ということを肝に銘じたほうがいい。ただ人生のバランスシートは案外公平にできていると思う。足りているものと足りないものが絶妙に釣り合っている。グチや不満の多い社員は、足りない部分にばかり目がいく。逆に足りている部分に目を向ければ感謝の気持ちが湧いてくるはずだ。