20年前の車 年間維持費が180万円!
モノを買ったら、それでおしまいではない。
たいていその後に「維持費」がかかる。これをバカにして、あるいは維持費に無頓着で自分の首をしめる例があとをたたない。それは、夫婦ともに収入が高い、家計的には何の問題もないと思われる世帯をも直撃する。
例えば、こんな事例がある。都内に住む会社役員のAさん(52歳)は、ずっと欲しかったポルシェ911を手に入れた。バリキャリで働く妻(49歳)が結婚20年の記念にとプレゼントしてくれたのだ。
ここ数年、Aさんが探していた型式のものは、日本国内にある台数自体が少ない上、数年前から価格が上昇。専門ディーラーを回っていても、ここ2年で200万円は確実に上がっている。どうやら、世界的にスポーツカー相場が高騰しているようで、海外に比べて相対的に安かった日本の市場にも影響を及ぼしているのだそうだ。
そんなとき、たまたま見ていた中古車サイトで希望の車種が売りに出されているのを見つけた。しかし1995年式で車体価格だけでも約800万円。これにさらに諸費用がかかる。
「このご時勢に、20年以上もの前の中古車がこんなに高いなんて」
そう驚きあきれながらも、妻に相談すると、「欲しいなら決めちゃえば?」とあっさりとお金を出してくれたそうだ。太っ腹な妻である。結婚記念日に何かをもらおうとする女性は多いが、800万円ものプレゼントを夫にするなんて……。よほどの経済的ゆとりと夫への愛情の持ち主である。
しかし、ポルシェオーナーになった喜びもつかの間。次々とショッキングな事実がAさんを襲う。想定外の出費が次から次へと発生したのである。