月額15万円の維持費に「目が点」

まず、納車前に任意の自動車保険を契約しようとしたところ、保険料が割安なネット損保では車両保険が付けられなかった。なぜなら、一般的にネット損保では、車両保険について、以下のような車について引受を制限しており、Aさんのクルマは、この制限に引っかかってしまうからである。

・初度登録(検査)年月から一定年数(18年など)以上が経過している
・車両保険金額が1000万円を超える
・車両料率クラス
(※1)が9

※1:自動車保険の車両保険の保険料を算出するための基準として設定された区分。1~9まであり、料率クラスが上がるほど保険料が高くなる。

このほか、ネット損保の中には「会社が指定するスポーツカー」という制限を設けているところもあり、Aさんは、割安なネット損保を諦めざるを得なかった。

結局、ディーラーが紹介してくれた自動車保険に加入したが、新規契約でノンフリート等級(※2)は6等級となり、保険料は年間約30万円もかかる。ある程度予想はしていたものの、まさかこれほど高いなんて。来年以降、等級があがれば多少は安くなるだろうが、それでも通常の自動車保険に比べると断然高い。

※2:保険料の割引率および割増率を算出するための階級。1~20等級に分かれ、事故を起こさず保険を使わなければ翌年の等級があがって保険料は安くなる。

タイヤ交換もすることになった。20万円以上かかった。さらに聞くところによると、ポルシェは運転が難しいため、メルセデス・ベンツやBMWなどから乗り換える人は、事前にポルシェ専用のドライビングスクールに通うのだそうだ。この費用が15万~20万円。

写真はイメージです

また全国にあるポルシェクラブに入会すると、各種のイベントなどに参加できるが、入会金や年会費などの会費や活動費で5万~10万円がかかるという。

もちろん毎月の駐車場代、ガソリン代、自動車税・自賠責保険・重量税といった税金・保険料関係の費用、車検代などのコストは必要だ。

自動車にまったく興味がない妻は、購入後のクルマのコストに関しては「我関せず」で、自分で負担するようにと言われている。夫はお金がかかることは覚悟していたものの、実際にこれだけ次々と費用がかかることが分かってくると、ため息が出るばかり。

とはいえ、実際に乗り始めると、ポルシェに乗る喜びには変えられない。喜々としてドライブに出かけたAさんだったが、納車して1カ月も経たないうちに、肝心のポルシェが故障。早々に購入したディーラー先へ修理のために戻ってしまった。

ポルシェは消耗品などのパーツも高い。修理は、納車直後のものだったので、無料だったが、見積もりでは約10万円だった。そんなAさんがこれから1年間にかかる費用をざっと計算してみると、約179万円。月額にすると約15万円にものぼることが判明した。また初年度ほどではないにしろ、2年目以降も、故障やら何やらでかなりの額になることは目に見ている。