3人家族で年収1300万なら家計は余裕と思いきや、月3万赤字で貯金も300万円のみ。元凶は家計費目に隠れていた巨大な「妻費」だった――。

年収1300万円でも赤字 「犯人は妻」か

●家族構成(3人家族)
薬品メーカー管理職Mさん(49)/妻48歳(専業主婦)/長男17歳(私立高校2年)
●年収 約1300万円/月収手取り76万円
●貯蓄 310万円

仕事上では良き上司として慕われ、仕事人間とも呼ばれてしまう、薬品メーカー管理職のMさん(49)。年収は約1300万円で、妻48歳(専業主婦)、長男17歳(私立高校2年)の3人家族です。

Mさんは奥さんを連れ、暗い表情で家計相談に来ました。

「実は今、貯蓄が310万円しかありません。子どもの大学費用や受験代のことを考えると不安です。こんなに収入があるのに、お恥ずかしい」

そう話し始めるMさんの隣で、奥さんはうなずきながら、うつむいています。

Mさんの会社では、最近、希望退職制度が始まりました。先輩や同僚がそれに応じているのを見て、自分にも声がかかるかもしれないと不安になったそうです。それで、貯蓄が少ないことに焦りを感じました。

働いているのだからお金は入ってくる、そんな考えで暮らしてきたのが間違いだったと悔やんでいます。でも奥さんは奥さんで、必要なものしか買っていないと思うし、ムダ遣いはしていないつもり、と話します。

なぜこのような状況になったのかを知るため、1カ月の収支を数字で出していきました。

月の手取り収入は76万円ほど。対して支出の合計は79万超で、収支としてはマイナス3万1000円という赤字の状況。この収入を使い切って、かつ赤字にしてしまうとは、もうお金を使いすぎる習慣が身についてしまっていると言わざるをえません。

毎月の支出状況を聞き取りし、家計表にまとめました。

すると、各費目の支出が多すぎる、いわゆるメタボ家計になっていることがよくわかりました。その支出の中身を聞くと、お金を使いすぎる原因となるポイントが3つわかりました。

【高収入なのに赤字家計 ポイント1】

1つ目は、何事も「良いもの」を選んでいること。食材や衣類は素材の良いものを選びがちで、必要以上に高額になっていました。これは奥さんにすると仕方がない「消費」支出です。少しくらいならまだしも、かなりこだわりがあります。

【高収入なのに赤字家計 ポイント2】

2つ目は生命保険に入りすぎ。勧められるがままに貯蓄性の高い保険に加入し、逆に必要と思われる医療保険は手薄な状況になっているのも問題です。

【高収入なのに赤字家計 ポイント3】

3つ目は、いわゆる「妻費」の多さ。被服費、交際費、娯楽費、美容費などから奥さんの洋服、お友だち付き合い、化粧品、ネイルなどの支払いをしており、これが毎月かなりの額になっています。散財といっていいかもしれません。