妻基準でモノを買うとお金が飛んでいく

まずはこれらの削減を検討しました。

【ポイント1:「妻の良いもの」へのこだわり問題

食費は、Mさんが一緒に食事をとることは少なく、主に奥さんと長男の料理のために使われています。詳しく聞くと、食材へのこだわりは他の面にも飛び火しています。例えば、お惣菜です。スーパーよりもデパ地下の惣菜のほうがおいしくて体に良いはずだ、とわざわざ電車に乗って買いに行くそうです。

デパ地下の有名お惣菜店というブランドに頼るのではなく、自分自身でモノを見て良いか悪いかを判断できるようにしていきましょう。そのほうが生活する力が付きますし、節約にもなります。そうアドバイスしました。

Mさんの奥さんは鮮度や質をどう見るかを、本で学んだり、ネットで検索して学び、2カ月ほどすると「近所のスーパーでも、結構いい食材を見つけられるようになりました。特売のものでも、意外と良いものがあって。気軽な場所で満足できるんですね」と言い始めました。デパ地下へ足を運ぶ機会も減り、食費が3割以上も減りました。

【ポイント2:不要な生命保険に入っている問題

生命保険は、そもそもの保険の役割、在り様などを伝えていきました。根本から、現状何が必要なのかを考えてもらいました。その結果、貯蓄性の高いものは一部解約、医療保障の保険を変更して保障内容を整え、支出を削減しました。貯蓄が少ない状況では、保険よりも、貯蓄を増やすことのほうが先決です。

【ポイント3:妻が散財している問題

妻も小遣い制にしました。妻費が様々な費目に隠れた状態で散在し、支出を膨らませている家計は多くあります。奥さんも、Mさんの所得の多さに安心しているためか、いろいろな費目の中に自分の支出を隠して使っていました。

奥さんが個人的に使っている分をざっと計算すると6万5000円ほどにもなります。ここは際限なく使われるよりは、自分で自由に使える枠を持たせ、家計を安定させるほうが得策です。そこで奥さんは毎月4万円の小遣いをもらい、個人的に使うお金はその中でやりくりする約束にしました。すると、問題だった被服費、交際費、娯楽費、美容費はかなり削減できました。