月5万円拠出で、所得税や住民税が25年間で510万負担減だが……
▼あなたも加入している? 確定拠出年金「選択制」とは
2017年1月から、20歳以上の人がほぼ全員が加入できるようになる「確定拠出年金」。新聞などのメディアでも取り上げられ、ご存知の方も多いでしょう。
確定拠出年金は、個人や企業が掛け金を積み立てて、将来受け取る年金額を上乗せする制度です。
掛け金が全額所得控除されたり(税金が安くなります)、運用益が非課税だったり、受け取るときも税金の優遇措置があったり……と、税制上有利な制度となっており、老後の生活資金を作るにはもってこいです。
確定拠出年金には、
(1)わたしたち個人が掛け金を積み立てる「個人型」確定拠出年金
(2)それぞれの企業が掛け金を積み立てる「企業型」確定拠出年金
など、いくつかの種類があります。
(2)の企業型では、本来企業が掛け金を上積みするのですが、従業員の給与から掛け金を捻出する「選択制」という制度もあります。
この「選択制」では、下記のAかBかを選択します。
(A)会社が掛け金を出さず、従業員が給与の一部を減額して掛け金を捻出する。
(B)掛け金を出さずに(選択制の確定拠出年金に加入せずに)その分を給与・賞与などとしてもらう。
Aの「給与の一部を減額して掛け金を出す」を選択した従業員は、その分の給与が少なくなります。
▼税金や社会保険料の負担が安くなる!
このAタイプの「選択制」の最大のメリットは、給与が少なくなった分、税金と社会保険料の負担が軽くなることです。会社にとっては、人件費を減らせる利点もあります。
所得税が10%、住民税10%、社会保険保険料14%と仮定すると……
【月3万円拠出する場合】
所得税●3万円×10%=3000円
住民税●3万円×10%=3000円
社会保険料●3万円×14%=4200円
1カ月あたり1万200円、1年間で12万2400円、25年間拠出を続けた場合、約306万円の負担軽減です。
【月5万円拠出する場合】
所得税●5万円×10%=5000円
住民税●5万円×10%=5000円
社会保険料●5万円×14%=7000円
1カ月あたり1万7000円の節税、1年間で20万4000円、25年間拠出を続けた場合、約510万円の負担軽減です。
……と、なかなかおトクな制度なのです、この確定拠出金「選択」制度は。ただし……。