この記事を執筆している4月上旬の日経平均株価は1万6200円弱。昨年12月1日以降、終値が2万円台を超えることはなく、低迷が続いている。サラリーマンの場合は、確定拠出年金で株の運用をしている人も少なくないだろう。では、その場合、乗り換えを検討すべきなのか。日経平均の動向とともに検証してみたい。

まず、年度末は株価を維持しようという「見えざる手」によるお化粧買いが入ると考えられていた。その根拠は次の通りだ。夏に予定されている参議院選挙前後に年金積立金管理運用独立行政法人、通称「GPIF」の過去1年間の運用成績が発表される。その実績は年度末の株価などを前提に計算され、運用成績が悪ければアベノミクス失敗というそしりを免れず、選挙に影響を及ぼす可能性があるからだ。だが大方の専門家の予想を裏切り、海外投資家の売りにより不発に終わった。

不発の理由は、海外投資家が日本株に対して慎重なスタンスを崩していないところにある。それを証明するのが、4月下旬から本格化する企業の決算発表および来期の業績見通し。米国の利上げペース鈍化などを背景に為替は円安から円高に転じており、業績を渋めに予想する企業が多いとみられる。過去2年は見通しがよかったぶん、保守的に予想する企業が多いことがマイナスとなる可能性が高い。

海外投資家の慎重姿勢、企業業績予想も渋めとなると、株価の軟調は続くと考えられる。下がりそうなら手を出さないほうが賢明なのだが、投資では安く買って高く売ることで利益が出るため、下がったときに投資を始めるのは必ずしも悪いことではない。