確定拠出年金など、積み立て投資をしている人の中にも、株への投資を控えるべきだと考える人がいるが、株価が下がるときこそチャンスである。
確定拠出年金、あるいは証券会社などで投資信託を積み立て購入する場合、毎月一定の額で買えるだけの株数が買い付けられる。価格が高いときには少ない株数、安いときには多い株数を買うことになり、株価が下落している局面では、より多くの株数を買うことができる。
取得した株数が多いほど、値上がりした際の利益が大きくなる。また安いときに多く買うことで平均の買い付け単価が下がり、利益を得やすくなる、という強みもある。
積み立て購入は「相場を見ずに買い続け、長期間続けることで成果を得る」投資術だ。下落局面で恐怖心から売ってしまっては元も子もない。
ただし、50代後半で退職時期が見えてきた世代については、値上がりしたときに売って利益を確定させることも重要といえる。株式に投資する投資信託などを売って、債券に投資する投資信託、または預金商品などに乗り換え、安定運用に舵を切るということを検討してもいいだろう。
一方、積み立て購入以外に株式投資をしたいという人についても、株価が下がったときに買うのは悪くない。5月の連休明けは安値になる可能性が高いが、選挙対策としての景気テコ入れ策が打ち出される可能性があるからだ。
ただし、企業業績が悪化すれば株価回復に時間がかかるので、業績の確認は欠かせない。円高は業績悪化要因であり、米国がドル安政策を口にするようになったら要注意である。1ドル110円前後であれば日米にとって悪くない水準であり、赤字に転落する企業はあまりないだろう。
(構成=高橋晴美)