「チャンクダウン」で先延ばし防止
▼なぜ、仕事を先延ばししてしまうのか?
仕事を先延ばししてしまう人がいる。スタートが遅いのは、多く場合、仕事を重荷に感じてしまうことが主な原因だと“習慣化コンサルタント”の古川武士氏。
重荷とは、例えば苦手な分野の仕事や、責任重大なプロジェクト。何からどう手をつければいいかわからない。
「そうした複雑さや曖昧さなどが不安を生み出して、なかなか取り組む気になれないのです」
では、どうすれば先延ばしせずに済むか。
「最初にお勧めしたいのはチャンクダウンです。チャンクは塊、ダウンは小さくすること。つまり、仕事を細かくすること。牛1頭分の肉を仕事にたとえれば、それを一口サイズのサイコロステーキにまで細分化する。一気に全部を食べるのは難しくても、1個ずつ片付けていく。精神的な負荷もぐっと減って、おろおろする非生産的な時間がなくなります」
プレッシャーを軽くする「ベビーステップ」
▼ベビーステップで心の重荷を除去
「この仕事は失敗できない」
そんな意気込みもかえってプレッシャーとなり、先延ばしの原因になることがある。この場合、「ベビーステップ」という方法でも心が軽くなる、と古川氏は語る。
「私は会社員時代、報告書を書くのが大の苦手でしたが、そんなときは『まず5分間だけ書いてみよう』と、時間は短くていいと自分に言い聞かせて、とにかく仕事に手を付けることにしていました。取り組む前は複雑で面倒くさそうで億劫になりますが、始めてしまうと意外に、長い時間集中できるものです」
例えばプレゼンの資料作りなら、まずは目次作りなど、簡単にできそうなものから手を付けてみる。そして、いきなり完成品を目指すのではなく、徐々にブラッシュアップしていく。仕事を前に立ちすくむよりも、コツコツと前進すべきなのだ。