なぜ外資系コンサルが愛用しているのか?
例えば、経営計画を立てる、新商品の企画を考える……。いずれもそれなりに考え、アイデア出しをしなければならない案件だ。
こうした思考系の仕事であるほど先延ばしする人は多い。“習慣化コンサルタント”の古川武士氏は書籍の企画案や、主催するセミナーの内容などを練るとき、ある道具を駆使することで「時短」に成功した。それが方眼ノートだ。
「方眼ノートだと、自分の考えが明確になり、不思議と集中できる。マス目に沿って縦横に線を引いて仕切りをつければ、とりあえず書いてみようという気になる。書いているうち思考が整理でき、しかも、全体が俯瞰しやすいのです」
実は、この方眼ノートは、マッキンゼー、ボストン コンサルティング、アクセンチュアなど外資系コンサルティング会社の人たちに愛用者が多いという。
3分割法で整理と集約
具体的な使い方を簡単に説明しよう。例えば、仕事の改善を図る必要がある場合だ。
図上のように、ノートを3分割し、まず現在、抱えている「問題点」をいくつか書き出し、次にその「原因」と思われるものを思いつくままに書き出してみる。そして、思いついた「解決策」もリストアップしていく。
「顧客への納品の遅れ」という問題があった場合、「社内関係者間のあいまいな伝達」「作業の立ち上がりの遅さ」といった原因が浮上し、それらに沿って「初期段階での方向性の確認」や「仕事の割り振りの改善」などといった解決策も自然な流れのなかで考えることができる。
また、イベントの設計なら図下のようにタイムスケジュールを最初に書き込み、続けて、区分けしたスペースに各時間帯の「構成要素」、さらに、その隣に「用意すべきもの」などを記入する。
ある営業訪問先ではプレゼンをする予定だとする。頭の中で考えるとあれもこれも伝えたいと、欲張ったことを考えてしまうが、方眼ノートに書き出してみると時間的制約が明らかになり、絞らないと時間内に収まらないことがわかる。そうすれば、パワポの資料もコンパクト版が必要なことに気がつくというわけだ。
「このように仕切って考えるようにすれば、漠然としていたことが次第にクリアになります。項目ごとにブレークダウンすれば、単に個条書きした場合よりも、時間の枠でできることや、そのために必要なものが見えてきます」(古川氏)
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。オリジナルの習慣化理論・技術を確立。著書に『力の抜きどころ』など。プレジデント・オンラインで月2回「得する習慣、損する習慣」連載中。