単純作業のスピードアップ法

仕事には創造的な仕事だけではない。頭をそれほど使わなくてもできる単純作業もある。例えば精算。領収書を日付順に糊付けし、精算用紙に使った費用の内容、相手先の名前などを書き出し……と、ああ、もう面倒くさい。作業が単純な分だけ、なかなかやる気が起きないし、始めても気が散って、時間がかかることがある。

「こういった単純作業は、例えば15分以内に全部仕上げるというように、ゲームをクリアする感覚で挑戦すると集中しやすいはずです」(働きながら米国公認会計士や弁護士資格を取得した佐藤孝幸氏)

ワクワク度優先のスケジューリング

スケジュールを立てるとき、またはリスケジュールするときでも、仕事を優先しがちだが、時間を満足に使いたいなら、まず、遊びのスケジュールを優先することだ。

「忙しいはずの人ほど、ゴルフをしていたり、パーティーに顔を出したりしているのは、まずイベントを優先して、そのために仕事をどうこなすか決めているからです。そうしないとすぐに仕事に埋もれてしまいます」(“習慣化コンサルタント”の古川武士氏)

楽しいこと、ワクワクすることをまず決める。優先順位の付け方、間違っていませんでしたか?

イライラしないための朝時間活用

早起きして朝時間をつくるのと、遅くまで起きていて夜に頑張るのとでは、どちらが効率的なのだろうか。朝型、夜型のタイプがあるようだが、フレックスタイムが導入されていたり、自宅作業が認められたりしている会社を別とすれば、多くのビジネスマンは始業時間が決まっているので、積極的に朝時間を使えるようにするほうが現実的だろう。

「イライラすると、明らかに仕事の効率が落ちる」(佐藤氏)。満員電車や渋滞はイライラのもと。早めの出社は三文の徳といえるだろう。

昼の仮眠でアイデア量産

時間の使い方が下手な人が削るのが睡眠時間。寝ないで頑張ったと自慢する人がいるが、褒められたことではない。脳は睡眠中に記憶回路をリセットする。行き詰まったときでも、一度寝るとアイデアが閃いたり、解決策が浮かんだりするのは、寝ている間にも無意識に脳が働いているからだ。

ないときは、あとは脳よ、おまえに任せた! と覚悟を決めて寝る。

「昼間でも短時間の仮眠をとります。スッキリして絶対に能率が上がります」(佐藤氏)

弁護士・米国公認会計士・公認内部監査人 佐藤孝幸(さとう・たかゆき)
早稲田大学卒業後、外資系銀行に就職。その後、米国大手会計事務所に就職するために渡米。2年間の独学で弁護士試験を1発でクリア。著書に『「要領がいい」と言われる人の、仕事と勉強を両立させる時間術』。
習慣化コンサルタント 古川武士(ふるかわ・たけし)
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。オリジナルの習慣化理論・技術を確立。著書に『力の抜きどころ』など。プレジデント・オンラインで月2回「得する習慣、損する習慣」連載中。
(構成=遠藤 成、大塚常好)
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