部下のやる気を高める方法はあるのか。人材育成コンサルタントの吉田幸弘さんは「ただ部下を褒めるのでは意味がない。上司が目的を持って褒めることが、部下のモチベーションにつながる」という――。

※本稿は、吉田幸弘『「また今日も、部下が浮かない顔してる…」 これからのリーダー必修「サーバント・リーダーシップ」入門』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

会議でプレゼンをするビジネスマン
写真=iStock.com/PonyWang
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ただ「頑張っているね」だけじゃダメ

部下への「褒め方」「叱り方」で苦労しているリーダーの方は少なくないと思います。

私が研修した会社の中に「部下を1日1回褒めよう」というスローガンで、リーダーが褒め言葉をかけようと取り組んでいる会社がありました。その会社は、褒めてはいるものの形式上で、「部下に気分よくなってもらおう」という褒め方になっていました。いわゆる、部下に響いていなかったのです。

ある時、企業の講演でリーダーと話していて、目的がブレているから上手い褒め方ができていないということに気づきました。

部下に気分よくなってもらおうという点が理由だと「頑張っているね」「今日も元気いい挨拶だね」「持っている鞄オシャレだね」などと声をかけてしまいがちです。特に3番目の褒め方は一歩間違えるとセクハラにもなりかねません。このような褒め方になってしまうのは目的がブレているのです。

「プレゼンよかった」だけでは部下に響かない

そもそも褒める目的って何でしょうか。私の中では2点あります。

1つ目は「行動の再現性を高めるため」、2点目は「自己有用感を高めるため」です。この2点に絞ることで、褒めるポイントがかなり具体的なものに変わります。

例えば、会議で部下Aさんのプレゼンがわかりやすかったとします。この場合、「今日のプレゼンわかりやすかったね」では三流の褒め方です。なぜなら、部下にとってどの部分がよかったかわからない、再現できないからです。

次に「今日のプレゼンの資料はわかりやすかった」と伝えたとします。これでもまだまだ二流です。資料ということで褒めるポイントがまだ広すぎるのです。

「資料作成の講評の部分がよかった」「棒グラフと折れ線グラフが両方入っていて、推移が明確だった」というようにポイントを絞るべきなのです。