勉強を効率良く継続できている人は何をしているか。弁護士で公認会計士の佐藤孝幸さんは「勉強のノウハウ本などには集中力を高める方法として『図書館に行こう』とか『静かな環境を選ぼう』とか書いてあるが、私はそれに反対だ。たとえば図書館で勉強することを習慣化し、集中を高めるためのスイッチにしてしまうと、そこ以外で勉強することができなくなってしまう。何かにつけて『ここは〜だから』というような思考回路ができあがってしまい、勉強しない理由、勉強ができない理由を作ってしまう可能性がある」という――。(第4回/全4回)

※本稿は、佐藤孝幸『仕事と勉強を両立させる時間術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

図書館で勉強するイメージ
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気分に任せず生活パターンを作る

人間、誰だってその日の体調やテンションがあります。ですが、私の経験上、その日の気分によってやることを変えるなど邪道です。そのためシステマチックな行動パターンを作ってしまいます。

私の場合、とにかく生活リズムを設定しました。問答無用に体を慣れさせ、そのパターンで動かないと「何だか気持ちが悪いなぁ」というレベルまでもっていきます。

例として私がアメリカにいた頃の生活リズムを紹介します。

当時、私は夜9時に就寝、5時に起床という生活を送っていました。

まず朝5時に起き、熱めのシャワーを浴びます。42~43℃くらいのシャワーです。多少眠くとも、これで強制的に目を覚ますことができます。頭と体をすっきりさせたらさっさと支度をして家を出ます。電車に乗り、テキストなどを読みながら勉強をスタート。

30分後、電車をおりたら会社近くのコーヒーショップに入って再び勉強です。会社には9時頃行くので、それまで3時間くらい集中します。そして時間になったらトールサイズの「モカ」を買って出社し、朝ごはん代わりに飲みながら仕事をします。

昼は軽食を買い、仕事をしながら食事。そのままノンストップで働き、6時に帰れるようにします。オフィスを出たら、朝と同じく電車の中で勉強。

帰宅し、食事をして勉強や運動など好きなことをして過ごします。で、9時になったら寝てしまうという生活です。基本的にこのパターンは今も変わらず、寝るのを10時くらいにしているのと、朝食はモカからココアになったというくらいのものです。

資格勉強をしていないときは本を読んだりして、好きな時間に充てています。

要は、それぞれの時間帯でスイッチを作ることが重要になります。私の場合、朝起きて「熱いシャワーを浴びる」→「ココアを飲む」というのがある種のスイッチになっていて、あとはもう自動的に体が動きます。