仕事をしながら勉強を継続できる人は何をしているか。弁護士で公認会計士の佐藤孝幸さんは「社会人の勉強は『仕事をしながら』が前提でトラブルがつきものであるため、1年先、1カ月先の予定は考えてはいけない。きっちりとしたスケジュールに例外が入ってくると、人は焦る。リズムを崩し勉強するのが嫌になりかねない。そのため私は資格試験を受けるときは2年を期限にすることだけを決め、ある程度コントロールできる『明日のこと』だけ考えるようにしている」という――。(第3回/全4回)
※本稿は、佐藤孝幸『仕事と勉強を両立させる時間術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
モチベーションがありながらやる気が出ないならやるな
本稿では「勉強があまり習慣化していない人」を想定し、仕事と勉強を両立していくための意識やコツを説明していきます。
資格勉強している方にもっとも多いのは「どうすれば仕事をしながら勉強時間を確保すればよいか?」という悩みの声です。そして、その次に多いのが「どうすれば勉強に集中することができるか?」というものです。
どうすれば集中できるか、その問いに対する答えとしては、「やる気が出ない、集中ができないことなら無理してやる必要はない」です。
先の記事で、「欲と危機感」というキーワードを出しましたが、集中できないのはこの2つが欠けているからです。つまり自分自身、それほど必要性を感じていないのです。
「そんなことをしなくとも、ある程度満足している」という言い方もできるでしょう。
たとえばTOEICでいいスコアを出せれば給料が上がるという制度を持つ会社もあります。
また、資格を取ればできる仕事が増えるとか、昇進につながるとか、転職したい、独立起業をしたい、そんな事情の人もいるでしょう。
しかしいずれにせよ、そうしたモチベーション、要因がありながらやる気が出ないというのなら、それは本当に自分のやりたいことではないのです。
また、やるべきことではないのだと思います。