嫌なことほど習慣化する
勉強をするといってもいろいろと種類がありますから、特定の科目や単元が苦手とか、特定のやり方が好きじゃないということがあるでしょう。
ただ、それもやらないわけにはいかないのであれば、生活リズムを作るように勉強のパターン化をしてしまうのが望ましいでしょう。
たとえば、テキストは「1日10ページ必ず読む」というノルマを決め、読むと決めたら必ず読むようにします。
最終的には必要なことなのですから、問答無用で自分に鞭を打ってしまうのです。
最初はもちろん「嫌だ」という気持ちがあるものですが、不思議なことにやっているうちにだんだんと体が慣れてきます。
生活習慣を作るのと同じで、勉強パターンも一度作ってしまえば、だんだんとやることに苦痛を感じることがなくなり、次第にやらなければ落ち着かないくらいに変わるのです。
そして、勉強の内容理解もだんだんと進んでいきます。
何となく内容がつかめ、知識をつけることがどんどん楽しくなってくるのです。
あるパターンや法則が見えてきて、自分の成長を実感できるという段階です。
というように、多少無理やりにでも勉強習慣をつけることができれば、学習の効率は飛躍的に伸びます。テレアポが苦手、クレーム対応が嫌という気持ちも、続けているうちに慣れ、そのうち「どうすればもっとうまくいくか」を考えるようになりますね。
仕事と同じように、経験を重ねれば誰だってある程度の能力を身につけることは可能です。本を読むのが嫌いでも、量を読んでいけば次第に活字を追うということに慣れ、本を読むという行為の楽しみがわかるようになります。
ですからまずは習慣を作り、慣れる状態にいち早くもっていけるよう努力してください。
そこからあとは、ものすごいスピードで成長できるはずです。
ケチらずどんと金を出せ
基本的に私は、これまでどんな資格試験を受けたときも独学で行ってきました。
いずれも時間がない中での試験でしたので、周囲から入ってくる情報量をなるべく少なくして、自分の勉強のやり方に迷いが出ないようにしたのです。
その点では、「資格試験には予備校に行かないと受からない」という最近の風潮に少し疑問を持ってしまいます。ただ、かく言う私もUSCPA(米国公認会計士)の試験のときだけは3カ月ほど予備校に通っていました。
人生ではじめての資格試験、しかも外国のものでしたので、どんなテキストや問題集を買えばいいかまったくわからなかったのです。
そこで、どんなものなのかと様子を見るつもりで通ってみたのでした。通ってみて思いましたが、予備校のいいところは何よりもお金を払ったら行かざるを得ないことでしょう。自分の働いたお金で高い受講料を払うわけですから、行かないともったいない。
私の場合、動機としてはそんな貧乏根性でしたが、最初の一歩を踏み出すという意味ではなかなか意味のあるものではなかったかなぁと思っています。
このように、「何かの勉強をはじめたい。でも、何からはじめていいのかわからないなぁ……」というのであれば、とりあえず強制力の働く環境に身を置いてみることです。
予備校やセミナー、講演会、いろいろとありますが、思い切ってお金を出してしまった方が弾みがつきやすいでしょう。
就職をした学生が社内研修を経て見違えるようになることがよくありますが、同じように強制力の働く場所、言い換えればやらざるを得ない状況に置かれると、人は割り切ってできるようになります。