日本にはなぜ、居眠りがあふれているか?
私が初めて日本を訪れたのはちょうど25年前。当時の日本と現在の日本ではさまざまな社会環境の違いがあるが変わらないものもある。そのうちの一つは、日本人はさまざまな状況で居眠りをするということだ。私が日本に来て最も衝撃を受けたのは電車で居眠りする人の多さだった。
もちろん日本以外の国でも、公共交通機関で居眠りする人はいるが、日本における居眠り率の高さは諸外国とは比べものにならない。電車をはじめとする公共交通機関以外にも、劇場やカフェ、ディスコ、学校での授業中、国会での審議中、観光のために乗ったはずの遊覧船の中で、しかも立ったまま眠っているという光景すら見受けられる。
日本は安全な国だといわれており、私もそれを肌身で感じている。不安を感じないこと、安心していられる状況があることは、快適な眠りのための、最低限かつ最大の要因だ。とはいえ、治安がよければ自動的に睡魔に襲われるという仕組みを人間が備えているわけではない。電車での居眠りを例に考えても、実際にスリや痴漢の被害にあう機会がほとんどないからこその光景だといえるが、それを居眠りの理由とするのは論理的に十分ではないのである。
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