睡眠が不足すると、集中力が散漫になり、判断力や記憶力が低下する。睡眠の重要性はわかったが、ではどうしたら充実した睡眠をとれるのか。睡眠障害の診療を行う睡眠総合ケアクリニック代々木の井上雄一氏に聞いた。
Q. 働き盛りの世代の睡眠には、どんな問題点がありますか?
全体的に日本のビジネスマンは短時間睡眠の傾向にあります。よくビジネス関係の本で「短時間睡眠でも大丈夫」などというものがありますが、あれは絶対に間違い。ちゃんと睡眠時間を確保してください。睡眠が不足すると、レプチンという食欲を抑制するホルモンの分泌が悪くなる一方で、グレリンという食欲を促進するホルモンが分泌されるので、肥満になりやすくなります。これに関連してメタボ、高血圧、糖尿病などになるリスクが高まります。
Q. 肥満は睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こすということも聞きましたが。
その通り。睡眠中は筋肉が弛緩するので、仰向けに寝ていると舌が喉のほうに落ちていくのですが、太った人は気道も狭くなっているため、舌が気道を塞いでしまい呼吸ができなくなってしまう。いびきがうるさいから家族に迷惑だし、本人もそのたびに目を覚ましたり、無意識に寝返りを打ったりするので眠りが浅くなり、結果的に睡眠不足になります。顔面の骨格の奥行きが狭い日本人では、欧米人に比べて軽度の肥満で発症しやすいようです。特に中高年の男性が多いとされています。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
(最初の7日間無料・無料期間内はいつでも解約可)
プレジデントオンライン有料会員の4つの特典
- 広告非表示で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント
