なぜ一つの通過点にすぎなかったのか

先日“ミドル”に関連する文献を探していたら、神戸大学の金井壽宏さんが、1996年に書いた論文に以下のような記述を見つけた。

「ミドル・マネジャーというのは、一方で、組織内の階層上のミドル、つまり中間管理職の立場にあるひとをさすばかりでなく、他方で、人生の途上で壮年期(もしくは中年期)、またはキャリアを歩む軌跡の上でも、キャリア中期を過ごしつつあるひとである。日本の産業社会におけるミドルの問題を議論する際に、これまで欠けていたのは、後者の視点である。」