始業時間、朝イチの仕事、打ち合わせ、スキマ時間、休日の過ごし方……。時間の使い方に関する年収別の徹底調査で「稼ぐ人」と「残念な人」との決定的な違いが見えてきた。
調査概要/楽天リサーチの協力を得て、インターネットを通じて1000人のビジネスマンより回答を得た。調査期間は2012年11月22~26日。

ルーティンワークを軽視していないか

誰にとっても1日は24時間、1週間は7日だ。ただ、与えられた時間の長さは同じでも、その使い方は人によって異なるはずだ。

そこで今回、年収500万円台、年収800万円台、年収2000万円以上の3つの年収層計1000人に対してアンケート調査を実施し、時間に対する意識や実際の行動について該当するものを選んでもらった。各年収層がどのような時間の使い方をしているのか、さっそくチェックしていこう。

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円グラフ、図1、図2

まずは朝の過ごし方だ。「始業時間より1時間以上早く出社」と回答した人(「あてはまる」「まああてはまる」と回答した人)の割合は、年収2000万円以上で30.9%に達し、他の年収層を上回った(図1)。年収2000万円以上は社長・取締役が半数以上を占めるが(円グラフ参照)、出勤時間が自由になる役員層ほど、むしろ朝早く出勤している。

出社後の行動も興味深い。「朝一番にやるルーティンの仕事がある」と回答した人は、年収500万円台が45.6%、800万円台が48.3%、2000万円以上が54.6%で、年収が高い層ほど朝やるべき仕事を習慣化していた(図2)。

レバレッジコンサルティング代表取締役兼CEOの本田直之氏は、この結果を次のように分析する。

「人間は基本的に意志が弱い生き物です。何も決めずに机に向かうと、『モチベーションが上がらないから後でやろう』などと考えて、仕事が進まなくなります。仕事のできる人はそのことに自覚的で、『意志が弱くても仕事を進めるには、どのような仕組みが必要か』と考えます。その仕組みの1つが、朝の仕事のルーティン化なのでしょう」