仕事の時間効率をあげるにはどうすればよいか。編集者の藤吉豊さん、小川真理子さんは「時間術の著者の多くが、『朝の過ごし方次第で、1日の時間の使い方が変わる』『朝イチの脳は処理能力に優れている』などと、朝の大切さを述べている」という――。

※本稿は、藤吉豊・小川真理子『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)の一部を再編集したものです。

大事なことほど「朝」にやる

時間術の名著100冊に書かれてあった共通のノウハウを洗い出したところ、100冊中39冊に、「朝の時間の使い方」について書かれてありました。時間術の著者の多くが、

「朝の時間の使い方を工夫したほうがいい」
「朝の過ごし方次第で、1日の時間の使い方が変わる」
「朝イチの脳は処理能力に優れている」

と、朝の大切さを述べています。

◆朝の時間が大切な理由

● 起床後数時間は頭がフレッシュな状態なので、集中しやすい。
● 1日のスタートを気持ちよく過ごすと、日中もポジティブでいられる。
● 朝は時間が限られているので、ダラダラすることがない。
● 誰にも邪魔されないひとりの時間が過ごせる。
● 朝日を浴びると、「セロトニン」が分泌される。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させて幸福感を得やすくする作用がある。
● 早朝は通勤電車も混んでいないため、席に座って本や資料を読むこともできる。
● 直感力や発想力が高まり、アイデアが浮かびやすい。

「十分な睡眠をとった朝、疲労は回復し、ストレスは減少している。当然、考え方が柔軟になっている。

さらには、寝る前までああでもない、こうでもないと考えていたいろいろなことが、ひとたび忘れ去られて、邪念がなくなり、直観的に大切なことだけが浮かんでくるように思う」(宮西ナオ子『朝2時間早く起きれば人生が変わる!』/三笠書房)

おはようの挨拶の一杯のコーヒー
写真=iStock.com/Cn0ra
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朝は人生のゴールデンタイム

時間術の著者の多くが、「朝目覚めてからの2、3時間(著者によっては3、4時間)は脳が活発に働く」と述べていて、この時間帯を「ゴールデンタイム」と呼んでいます。

「1日の中で集中力が高まる時間帯は朝です。特に、目覚めてからの3時間は『脳のゴールデンタイム』と呼ばれ、集中力が最高レベルに達します。朝の1時間は、夜の1時間の4倍の価値があると言います」(吉武麻子『目標や夢が達成できる1年・1カ月・1週間・1日の時間術』/かんき出版)
「人間の意志力や思考力は、起床してから時間が過ぎるにつれて低下していきます。
実際に、人間の脳にとって1日でもっとも生産性の高い『ゴールデンタイム』は、起床後3~4時間と言われています」(尾石晴【ワーママはる】『やめる時間術』/実業之日本社)