真に効率良く仕事をするには何を意識すればいいか。物流エコノミストの鈴木邦成さんは「滞りをなくせるかどうかは、仕事をスムーズに処理していくうえでの大きな滞りの原因となる『世間の常識』が本当に合理的かどうかを考えてみることだ。たとえば、メモの取り方でいえば、『人の話を聞くときや読書をするときなどに細かくノートをとるのがいい』といった話をよく聞くが、社会人の場合、ノートやメモをとっても見直すことはほとんどない。滞りをなくすという視点からもノートをとる意味はあまりない」という――。
※本稿は、鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
下剤を飲むような徹夜での作業では滞りは改善されない
滞りを解消するのは便秘の解消と似ています。
「便秘なんて下剤に頼ればすぐ解消できる」という考え方ならば、いつまでたっても便秘体質は解消されないはずです。便秘の解消には抜本的な体質改善が必要になってきますが、それと同じことがいえるのです。
たとえば、予定の進行が滞ることを心配して、まとめて一挙に遅れを取り戻そうとする人がいます。
「時間が足りないならば徹夜で作業をする」といった人です。
確かに徹夜で作業をすれば、予定の遅れを解消することは可能でしょう。しかし、毎日徹夜で作業するわけにはいきません。
徹夜をするというのは特殊な状況です。実際、徹夜で作業をしても能率が上がらなかったり、身につかなかったりすることも多いと思います。