仕事のピーク時にあわせて効率的にタスクをこなすにはどうすればいいか。物流エコノミストの鈴木邦成さんは「『成果の8割はその構成要素の2割で成り立っている』というパレートの法則を毎日のスケジュールとタスクの関係に当てはめると、8時間(480分)労働ならば、96分(480分×20%)程度働けば、理論上、ほとんどその日のタスクは終わったようなものになる。これを根拠とすれば、午後に効率的にタスクをこなせば、わざわざ朝や夜に時間を割く必要はなくなる」という――。
※本稿は、鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
昼のタスクの効率アップを考え、朝や夜を予備の時間と捉える
忙しい人は「日中は忙しいから、早起きしてSNSをやろう」「夜なら時間があるから帰宅後の時間を活用しよう」などと考えがちです。しかし、そんなことが可能なのでしょうか。
私もかつては朝や夜の時間の有効活用を考えてスケジューリングを行っていました。
けれども朝活は短期間ならともかく、長期間、続けることは容易ではありませんでした。普通の人は2、3カ月が限度なのではないでしょうか。
夜の場合もほとんど同じです。決まった曜日の夜に、何か習慣的なことを始めようと思っても、急な残業やイベント、友人知人からの誘いなどもあるでしょうから、なかなか計画通りに行かなくなるはずです。
そうなると当然、期待値が高いだけに失望感も大きくなります。
1回限りならばともかく、習慣として早起きを実践するのは、よほどの意志力が求められます。帰宅後もほろ酔い加減だったり、疲れていたりしては仕事どころではないのです。
こうした状況下では、ヘタに多大な期待を朝や夜に抱かないのが正解です。
昼のタスクの効率アップを考え、朝や夜を予備の時間、物流業務の理論となるロジスティクス工学でいうところのバッファー(余白)としてとらえるのです。