1日の時間を有効に使うにはどうすればいいか。物流エコノミストの鈴木邦成さんは「『早起きは三文の徳』といわれるが、朝の時間に大きな期待を抱くと、それ以外の時間帯への滞りを生み全体でみて効率的ではないことが多い。人間は昼行性の生き物なので、『時間医学』の考え方としても体験的に考えても、起床してから4時間から6時間後あたりの日中に重要な案件をこなしておくということが、もっとも効率よく仕事に取り組める」という――。

※本稿は、鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

オフィスデスクに置かれた目覚まし時計
写真=iStock.com/Fototocam
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「早起きは三文の徳」はウソだから早朝に期待するな

時間が上手に使えない人は多いと思います。

そんな時間管理に悩んでいる人の話を聞いてみると、ある共通点があります。

それは「朝早く起きて勉強する」「週末に積み残してきた仕事をまとめてやる」といったように、ある特定の時間帯に集中して取り組んでいることです。

それ自体は悪いことではないのでしょうが、そうなると、どうしてもその時間帯でできることに過度な期待が生じていきます。

しかも、それは「時間の滞り」を解消していく視点から考えると、合理的な対応とはいえません。「まとめてやる」ということで、特定の時間帯に対する期待値を高くすれば、その通りにできなかった場合、逆に挫折感も大きくなるからです。

それがもっとも顕著に出るのが朝です。

「早起きは三文の徳」「朝の時間はゴールデンタイム」といわれるように、朝の時間に大きな期待を抱く人が少なくありません。

「朝早く起きて、頭がさえている状態の午前中にプレゼン資料の作成や資格試験の勉強をしたりするといい」

「仕事ができる人は、朝早く起きて、始業前に重要なメールに返信したり、大切な用件に手をつけたりするものだ」

という理屈です。