午前中の仕事は「慣らし運転」でいい

したがって、午前中の仕事は「慣らし運転」のようなものと考えて、軽めにこなし、午後にメインの仕事を持ってくるというのが、効率的に仕事をこなしていくコツにもなります。

鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)
鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)

Cさんの例でいうと、朝から営業戦略の立案などを行うのは、いうならば最初からギアをトップに入れるようなものです。慌ただしい朝にじっくりと時間をかけて行わなければならないタスクを入れるところにムリがあるのです。

午後の商談は悪いというわけではありませんが、相手の都合もありますから、状況に応じて朝や夕方も活用することにして、午後に固定するという考え方はとらないほうがよいはずです。

このような考えに至ったのは、私も以前、朝に仕事を集中していた時期があったからです。朝方の仕事はタバコを吸いながら、コーヒーを飲みながら、ゆっくり取り掛かると、快適なものです。仕事もはかどるような気もしました。

ところが35歳くらいのときにタバコをやめてから考え方が変わりました。

タバコをやめてみると、朝の慌ただしい時間帯にゆっくりと立案を練るというのはどうも落ち着かないのです。そこでタバコをやめたことをきっかけに、朝重視型から昼重視型にシフトすることにしたのです。

当初は午後の仕事効率が落ちましたが、「昼を活かすためにはどうしたらよいか」ということを考えるうちに、「朝から全力で飛ばさない」「朝のタスクは軽めにして、午後を仕事のメインに据える」という考え方に至ったのです。

そしてさらに工夫を重ね、昼重視型を自分なりに改善していくと、より一層、効率的に仕事をこなせるコツもわかってきたのです。

特定の時間帯への過度な期待が、それ以外の時間帯の滞りを生む
出所=『はかどる技術
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