効率的な時間管理をするにはどうすればいいか。物流エコノミストの鈴木邦成さんは「資格勉強の時間を確保しようと、毎朝5時起きの朝活や週末の時間を有効活用しても思うような成果は上がりづらい。これは物流でいうところの『部分最適』はできていても、『全体最適』が実現されていないという状態である。日常生活を滞りなく進めるにはまずは、『特定の曜日や時間帯に過度な期待を抱かない』ことが重要だ」という――。
※本稿は、鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
なぜ毎日が忙しく過ごすだけで終わってしまうのか
ビジネスシーンを中心とした日常生活の場合、滞るとどんな影響が出てくるのでしょうか。
30代の女性Aさんを例にとって見ていきましょう。
都内に勤務しているAさんは毎朝5時に起きて、メールをチェックしたり、X(旧ツイッター)でその日の新しいトピックを見たりしながら、リポスト(リツイート)しています。
TOEICの勉強も少ししているので、朝は英語を聞きながらリスニング問題を解くときもあります。
朝の身支度には30分程度みて、7時には家を出るようにしています。
通勤時間は1時間ほどですが、通勤途中は好きな音楽を聴くことにしています。出社すると、すぐに会議があったり、電話がかかってきたり、午前中はかなり慌ただしい感じです。
昼食をとって午後ようやく少し余裕が出てきますが、夕方頃に急ぎの用や翌日の準備などが出てきて、結局、少し残業をしてから帰ることになってしまいます。
帰りもラッシュ時にぶつかることも多く、電車のなかで何か作業をこなすというのも難しいように思えます。結局、毎日、忙しく過ごすだけで終わってしまうのです。
「朝活がよいというのでがんばってみたけど、なかなか成果が上がらない」という嘆きも出てきました。