効率良く物事を進めるにはどうすればいいか。物流エコノミストの鈴木邦成さんは「『忙しくて時間がない』『仕事の効率が悪い』という人は、ピークとオフピークの対応に失敗し『滞り』が発生している可能性がある。このピークとオフピークの特徴をつかみながら、コンビニのそばに割安な商品を並べて成功した好例がミニスーパーのドミナント戦略だ」という――。

※本稿は、鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

スーパーマーケットの通路に並んだ日用品
写真=iStock.com/Akmal Renanda
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時間管理を工夫しても成果が得られないのはなぜか

「忙しくて自分の時間がない」「仕事の効率が悪い」――こうした悩みを持つ人は少なくありません。

しかし、そうした悩みがあっても、「それじゃあ、自分を変えられるのか」と問われれば、言葉に詰まってしまう人がほとんどではないでしょうか。

悩んだ末に、「早起き、朝活してみよう」「効率が上がるように綿密なタイムスケジュールを作成してみよう」といった工夫をするかもしれません。けれども、それで「十分な成果が得られた」という人はごくわずかといっていいでしょう。

ただし、うまくいかないからといって、がっかりする必要はありません。考え方を変えれば、問題の解決策が見えてくる可能性があるからです。

私は物流の専門家として大学に籍を置く関係から、学生はもとよりビジネスピープルからも、多種多様な相談を受けます。

本業の物流現場改善やロジスティクス戦略の相談だけではなく、就職、転職、資格試験の勉強方法、職場での時間管理や人づきあいなどの一般的な悩みを一緒に考えることもあります。

そんな相談者を見ていると、「行動経済学などでいうところのアンコンシャスバイアスに陥ってしまっているなあ」と感じることがしばしばあります。