2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。教養(雑学)部門の第5位は――。
▼第1位 大谷翔平でも八村塁でも大坂なおみでもない…アメリカでもっとも知名度が高い日本人アスリートの名前
▼第2位 「姦」という漢字はどう読むのが正しいのか…「平安時代の辞書」に記されていたすさまじい読み方
▼第3位 「二刀流」でも「MVP獲得」でも「1000億円の移籍」でもない…全アメリカ人が大谷翔平の名前を知った瞬間
▼第4位 伝統を重んじているので世界でも12軒しかない…日本国内で「一生に一度は泊まるべきホテル・旅館」5選
▼第5位 「日本酒と言えば大吟醸」はもう古い…大の酒好きが「一周回っておいしい」と絶賛する日本酒とは
※本稿は、髙橋理人『酒ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
賞味期限はないが、色や味は変わる
「日本酒の賞味期限はいつなのですか?」は、非常によく聞かれる質問です。
結論としては、日本酒には比較的高いアルコールが含まれており、アルコール殺菌の効果があるので、開封しなければ腐敗はほとんど考えられず、賞味期限もありません。
なお、ビールは日本酒よりアルコール度数が低いので、賞味期限があり、缶の底に書いてあることが多いです。大手メーカーのビールは9カ月~12カ月です。
ビールは賞味期限が過ぎても容器密封されていれば、衛生的に問題ありません。ただし、クラフトビールは1カ月など、期限が短い場合があるので注意が必要です。
日本酒も開封前であれば10年以上経っていても体に害はなく、理論上はどれだけ時間が経過しても飲むことができます。
ただし、10年以上経った日本酒が、蔵から出荷された時の味わいと同じというわけではありません。徐々に熟成が進み、味や色が変化していきます。
つまり、日本酒には賞味期限はありませんが、味が変化せずに美味しく飲める期限はあるということです。そこで、味を変化させずに美味しく飲む、という観点でおすすめの保存方法をお話しします。
「生酒」は常温で置いてはいけない
◯開封前
一般的に日本酒は、長持ちをさせるために加熱殺菌を行っています。これを業界用語で「火入れ」と言います。「火」という言葉を聞くと、日本酒を直火で沸騰させているようなイメージがあるかもしれませんが、実際は60~65℃で湯煎をします。これによって、お酒の中に残っていた菌が死滅し、酵素の働きを止めることで、味や香りの変化を抑制できます。
しかし、生酒の場合は火入れをしないので、微生物がお酒の中に残っています。そのため、味が変化をしてしまう可能性が高くなります。
温度が高いと菌も活発に働いてしまうので、ラベルに「生酒」と明記されているものは、冷蔵庫に直行で保管するようにしてください。
購入して未開封であれば、生酒なら1カ月以内、それ以外の日本酒なら半年以内で飲み切るのが目安となります。