なぜ日本人は減塩が大好きなのか

「塩分を減らせば血圧は下がる」。長い間、日本ではこれが定説になっていました。ところが、最近の海外の研究で、「減塩には大して血圧を抑える効果がない」ことがわかっています。

これはアメリカの研究者による調査研究で明らかになったことです。高血圧の人を3つのグループに分け、一定期間、Aグループには「減塩」をしてもらう、Bグループには「減量」をしてもらう、Cグループには軽い「運動」をしてもらう、といった実験をしたところ、どのグループの結果も大して変わりがなかったのです。

しかもA「減塩」は、塩分を通常の半分程度にするという過酷なものでしたが、B「減量」は4キロの減量、C「運動」は軽いものでした。この結果がすべてとは言いませんが、それまで言われてきたほどには減塩に血圧を抑える効果はなく、減塩より減量や運動のほうが、効率よく血圧を下げられることがわかったのです。

木製のボウルとスプーンの海塩
写真=iStock.com/OlgaMiltsova
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そもそも、なぜ日本では「高血圧には減塩」という常識が出来上がったのでしょうか。

きっかけは1961年に米国のブルックヘブン国立研究所のルイス・ダールという研究者が行った疫学調査でした。その調査によって食塩摂取量と高血圧の発症率に相関があることを示唆しさした論文が発表されたのです。

その研究チームでは世界各地の人たちの塩分の摂取量と平均の血圧を調査して比較した結果、「塩分を多量にとっている地域の人ほど血圧が高い」との結論を導いたのです。この論文は大変センセーショナルに受け止められ、米国で減塩ブームが起こり、やがて世界に広がっていきました。