中学受験に挑む子どもたちの身体は、大切な成長期を迎えている。睡眠時間の確保をはじめ、受験生の親には子どもの体調管理が求められるのは言うまでもない。なかでも栄養バランスの取れた食事は大切だ。
POINT1 主食、主菜、副菜を3度の食事で心掛ける
女子栄養大学卒。「家族みんなが楽しめる、身体にやさしい、簡単で美味しいレシピの提案」をモットーに、各メディアや料理教室などで幅広く活躍中。
とはいえ、具体的にどんな食事を用意すればいいのかわからずに、悩んでいる人も多いのでは。管理栄養士の牧野直子さんに、受験生の栄養管理についてお話を伺った。自身も息子の中学受験をサポートして合格へと導いた、頼もしい存在だ。
「自分が管理栄養士だからといって、息子に特別なものを食べさせていたわけではありません。心掛けていたのは、主食、主菜、副菜を揃えること。カロリー計算や栄養素の細かな分量は気にしませんでした」
主食とは、米やパンなどの炭水化物源だ。それらに含まれている糖質は、身体のエネルギー源となる。主菜の肉や魚、卵などには身体をつくるタンパク質が、そして副菜の野菜や海藻には、身体の調子を整えるビタミンやミネラルが含まれている。
「これらの栄養はサプリメントでなく、食事から摂ることが基本です。また栄養素は互いに補い合っているため、5大栄養素をバランス良く摂ることが大切です。栄養素の多くは摂りだめもできないので、毎日の3度の食事をきちんと食べさせるようにしましょう」
5大栄養素をバランス良く摂ることが大切です。

朝、昼、晩、栄養バランスの取れた料理を準備しなければ、と難しく考える必要はないという。
「朝はルーティンでOK。パンと卵に温野菜、果物、ヨーグルト。あるいは、ご飯と卵や納豆、味噌汁。それくらいで十分です。前夜の味噌汁に、さつま揚げやサバ缶などを加えてリメイクするのもいいですよ」
朝を手軽に済ませたら昼は給食があるので、あとは給食とメニューがかぶらないように夕食を用意するだけ。なるほど、確かにそれほど難しく考える必要はなさそうだ。
「ほうれん草やブロッコリーなどは一束買ってきたら、まとめてゆでて冷蔵しておくと便利です。忙しい朝でも、調理せずにぱっと出せますからね。冷凍すると解凍が手間なので、あえて冷蔵にしましょう。また、カット野菜など便利な商品もどんどん活用すればいいと思います」
POINT2 塾でお腹がすく頃に補食を摂る理由は?
「息子が塾通いをしていたとき、夕方になるとお腹がすいて力が出ないと言われました。空腹では勉強に没頭できないんですね。そこで小さめのおにぎりを持たせるようにしました」
考えるときには糖質が大事と耳にしたこともあるだろう。しかし糖質だけでなく、5大栄養素をバランス良く摂ることが身体を正しく働かせ、パフォーマンスを発揮させるのである。そうした意味では塾でお腹がすいてくる頃に、おにぎりなどの補食を摂ることは理にかなっているといえる。
そうした子どもたちの補食として牧野さんもお薦めするのが、5大栄養素を手軽にバランス良く補給できる「カロリーメイト」だ。現在、フレーバーも多彩な3タイプの製品が揃えられている。
牧野さん自身、普段はブロックタイプを選ぶことが多いそうだが、子どもたちにはほかの2タイプも試してほしいという。
「塾のお供にはゼリータイプがぴったり。片手で口にでき、子どもたちでも食べやすいですからね。リキッドタイプは朝に良さそう。普段の食事にプラスすることで、栄養の補助に助かります。夏は凍らせて、アイスキャンディーのように食べるといいかも。凍らせても栄養は損なわれませんよ」
POINT3 早寝早起きを習慣付け本番の日も普段通りに
親が心配なのは、子どもの食が進まないときだ。緊張や心配事でそうなってしまうケースもあるだろう。そんなとき親は、無理に食べさせようとしないことが大切だと説く。
「きちんと食べてほしいという親の気持ちもわかりますが、ずらりと並べられるとそれがプレッシャーになるという子もいます。何なら食べられそうかな、とまずは聞いてみるといいですね。食べ慣れているもので安心させてあげましょう」
大切な模試や受験当日の朝は、どんな朝食で送り出すといいのだろう。
「いつも食べているものを、普段通りの時間に食べること。7時までに食べ終えていれば、試験が始まったときには食事が消化、吸収され、エネルギーが充塡されている理想的な状態となります。そのためにも、なるべく早い時期から早寝早起きを習慣付けましょう。勉強と同様、規則正しい生活や健康な身体づくりも毎日の積み重ねが大切ですよ」
栄養は食事から摂るのが基本だと念を押したうえで、牧野さんは言う。
「それができない日もあるでしょう。そんなときはカロリーメイトのような製品を、補食としてうまく活用すればいいんです。自分のやり方は正しいのかと心配し過ぎず、気楽にやりましょう。子どもが健康で機嫌がいいのであれば、自分のやっていることは正しいんだと自信を持ってください」

子どもの栄養補給に!
(撮影=堀 隆弘)