「景気指標欄」の数字をメモせよ

小宮コンサルタンツ代表 
小宮一慶氏

仕事で成果を出せない人は、自分の関心事やすぐ役に立ちそうな情報ばかり求めます。それに対して成果を出す人は、自分の関心事を社会の関心事に合わせます。つまり、未来を想像し、長期的な視点で自分の力となる情報を仕入れ、成長することができるのです。

自分の関心のある記事ばかり読んでいると、それについては深掘りできますが、多くの場合、社会はあなたの関心に興味がありません。また、すぐに役立ちそうな情報は、ほかの誰もが手に入れようとするものです。

では、ほかの人と差をつけるためには、新聞をどのように読めばいいのでしょうか。

重要なのは、自分が経営者になったつもりで新聞を読むことです。経営者には企業が進むべき方向を定める役割があります。そのためには、データを論理的に組み立て、戦略を描く能力が必要です。その材料として、自社の属する業界の情報はもちろん、他業界や政治の動向、世界経済の情勢まで、頭にインプットしなければならないのです。

わかっているけど、なかなか頭に入ってこない……。多くの人の悩みはこうでしょう。私がおすすめするのは、次の3つのステップです。

1番目は、日本経済新聞月曜朝刊の「景気指標欄」に目を通すこと。いつもより時間をかけて読んでみましょう。私は、これを隅から隅までチェックする作業を20年ほど続けていて、経営コンサルタントという仕事にも大いに役立っています。

景気指標欄に書かれている膨大なデータを暗記するのは無理でしょうから、まずは「GDP」「円相場」「日経平均」「消費者物価指数」「企業倒産件数」などといった基本的な指標を押さえましょう。私は、重要な指標を手帳にメモ書きし、いつでも見返せるようにしています。