時は金なり。わかっていても能率が上がらないのはなぜ? 役職別に抱えがちな問題をコンサルタントがお答えします。

部下と上司に挟まれ、仕事にも追われ、ストレスも溜まりがち――
「係長の悩み」

【Q】同時進行の仕事の優先順位のつけ方がわからない。

優先順位を決める場合、一般に「緊急度」と「重要度」という2つの要素を考慮します。ところが仕事の大半は緊急かつ重要ですから、皆さん悩まれるのでしょう。

まず、時間軸で考えた場合、期限が早いものを優先するのは当然ですが、そこで見落としがちなのがリードタイム(待ち時間)です。作業を外注する場合や相手の返答を待つケースなど、あなたが直接コントロールできない仕事は、たとえ期限が1カ月先であっても、すぐに着手するべきです。

リードタイムを加味せずに作業を進めた結果、期限に間に合わなかったケースは往々にしてあります。余裕を持って進めておけば、相手待ちで時間を無駄にすることもなくなります。順調なら2日でできる仕事でもリードタイムがあるものは「4日あれば」と倍の時間を回答しておけば、周囲に迷惑がかかるのを防ぐことができます。

次に、重要度で考えた場合は、仕事の重要性を、自分の判断だけでなく上司の考えを仰ぐことです。

たとえば1年後に大きなイベントが決定しているなど、上層部しか知らない状況もあります。あなたにとって大した仕事ではないと思っても、実は重要なのかもしれません。

仕事を頼まれたら、重要度も確認する習慣をつけましょう。あわせて、あなたがやっている仕事について、上司や同僚、部下へ意義と状況を適宜共有することで周囲に理解してもらうように働きかければ、「忙しいときに何をやっているんだ」と誤解されることもなくなります。

忘年会の幹事なども同じです。ほかの仕事に比べて重要度は低いものですが、先送りしていると、会場の予約が取れなくなってしまいます。どんな仕事でもゴールに向けた最適なアプローチをし、期限を守ることが必須です。