――非資源をどう強化するか。

【安永】3月まで本部長を務めていた機械・輸送システム事業は、自動車、船舶、航空機、鉄道などの分野を扱うが、自社の収益基盤に育ってきた。大型案件では、昨年にブラジルの一般貨物輸送事業に参画し、今年は北米のトラックリース事業会社、ペンスキートラックリーシング(PTL)に約7億5000万ドル(約910億円)を投資した。

――就任後、全社員に現場主義を徹底していると聞く。

【安永】素振りだけではなく、空振りしてもいいから打席に立ってバットを振ってこいと、社内に発破をかけている。いち早く新市場を開拓し、新事業を起こしていくためには、現場にどんどん出ていくしかない。当社は日本企業が海外進出する際の「水先案内人」でもある。だから日本で一番アグレッシブな組織にしていきたい。

三井物産社長 安永竜夫
1960年、愛媛県生まれ。83年東京大学工学部卒業後、三井物産入社。06年東洋エンジニアリング出向。08年プロジェクト業務部長、10年経営企画部長、13年執行役員機械・輸送システム本部長。15年4月社長就任。

出身高校:私立愛光高校
長く在籍した部門
:プラント部門
座右の書(または最近読んだ本)
:『坂の上の雲』
座右の銘
:人事を尽くして天命を待つ
趣味
:庭仕事、ゴルフ

(大島七々三=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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