なぜ英会話レッスンを誰からも見える場所で行うか
地元のスーパーやコンビニに飲料の営業や販売をする中小企業に勤めていたのに、ある朝突然「来月から関連企業と統合し、グローバル企業になる」とお達しが。数カ月のうちに社長も上司も外国人。社内で英語が飛び交い、ビジネスプロセスから制度、組織までもが、がらりと“外資的”になってしまったとしたら――。あなたは、その変化を受け止められるだろうか。
それに近いことが起こっているのが、東京・赤坂にあるコカ・コーライーストジャパン(以下、CCEJ)だ。そこには不思議な光景が広がっていた。
就業時間中にもかかわらず、オフィス中央にあるオープンな打ち合わせスペースでは、外国人講師による英会話レッスンが行われているのだ。レッスンは1回50分で、3、4人の少人数制。利用回数にルールはないが、社員は積極的に受講することを奨励されている。毎日受けたり、1日に2度受けることも可能だという。10段階のレベル認定も行われ、社内では優秀者をMVPとして毎月表彰している。講師だけでなく英語レッスン手配の専用ヘルプデスクも常駐しており、“駅前留学”ならぬ“オフィス内留学”状態だ。
「講師が常駐しているので、少しでも空いた時間があれば、レッスンを入れるようにしています。少なくとも1日に1度は英語のレッスンを受けるようにしています。といっても、昔は英語を仕事で使うなんて、想像もしていなかったんですがね……」と話すのは、50代の管理職男性。