日本から発信するグローバルレベルの“ベストプラクティス”

では、CCEJが推進する「グローバルレベルの人材育成」とは具体的にどのようなものなのだろうか。中野氏は「コカ・コーラグループでは、かねて会社単位より各システム単位で協力し、世界中から『ベストプラクティス』(最善の事例、最も効率のよい方法)を共有することでグループ全体としての発展を目指していこう、という方向性があります。そうなると、たとえ日本にずっといる人材であっても、グローバル水準で考えたり、関係づくりをしたりできないと、世界から取り残されてしまいます」と話す。

これまでは米コカ・コーラのアトランタ本社の方針や海外からの事例を受け入れる側だったが、今後は日本からの「ベストプラクティス」の発信も期待されているという。特に、独自に発展を遂げた日本の自動販売機は世界のボトラーから注目を集める。海外から人材を受け入れており、現場で一緒に働くなかで日本の技術やノウハウを吸収していってもらおう、といった試みもすでに行われている。

コカ・コーラグループでは、様々なスキルや経験を持つ人材を国籍を問わず適材適所で送り込めるよう世界的な人材マネジメントが行われている。ゆえに、英語さえできれば、CCEJの社員が日本での経験を活かして他国でキャリアアップできる可能性も大いに広がったというわけだ。

統合後、人材育成には約3倍の予算をつけた。その中心の1つが英語教育だが、それはただ英語を徹底させるためではなく、グローバルな人材育成の基礎力への投資なのである。