なぜ、正当な要求が「モンスター」に見えるのか?
1. 要求を出す親は即モンスターなのか?
モンスターペアレントという造語は、近年作られたある種のレッテルで、「学校に対し自己中心的かつ理不尽な要求をする親」を指すそうです。直訳すると「化け物親」でしょうか。いくら最近、妖怪ブームだからといって、こんなレッテルを貼られてうれしい親はいません。
確かに、無茶苦茶な要求をする親が世の中に存在することは事実かもしれません。
しかし、親がわが子のために要求や相談をするのは、当然の権利です。学校は、子どもの幸せのためにある機関だからです。
それなのに何か言うとすべて「モンスター」扱いされたら、親の側もたまりません。本当にごくまれに、無茶苦茶な要求をする人が存在するために、学校に要求をする親は即「モンスターの仲間」という誤認を、学校側だけでなく父兄側でもしかねない現状があります。
これは、ごく一部の教師のとんでもない不祥事が一つ報道されるだけで、「今の教師はろくでもない」と全体にレッテルを貼られ、一緒くたにされてしまう批判と同じ構造です。
まず親と学校、両者が安直なレッテル貼りをやめる大人な対応が健全な関係のスタートです。
2.なぜ、正当な要求が「モンスター」に見えるのか?
私個人としては、親を「モンスター」呼ばわりすることを好みませんが、一般的な用語となりつつあることを踏まえ、本稿では便宜的に「モンスター」の用語を使います。
では、親から学校への要求の事例を具体的に挙げてみます。みなさんならどう判断しますか? 「正当な要求」と思うなら○、「モンスターな要求」と思うなら×をつけながら読み進めてみてくだい。