「2020年からの大学入試改革を前に、世界的に注目を集める『21世紀型教育(スキル)』を実践している学校は……」
発売中の『プレジデントファミリー』2016冬号に、そのリストが掲載されており、話題を呼びそうだ。この21世紀型スキルとは、課題を自分で見つけ、解決に向けて考え行動し、仲間と協力して動く力のこと。これが将来、国際社会で活躍するために必須の能力と言われる中で、英語、IT、アクティブラーニング(協働型・双方向型授業)の3つが授業内容のキーワードとなるという。
現在、中学1年より下の世代は、大学受験時もこの「21世紀型」を測られることになるから、他人事ではすまされない。親としてはしっかり把握して、家庭教育にも反映させたいところだろう。
同誌では、そんな21世紀型の人材を養成しようと「これまで見たこともない小学校」を立ち上げようと奮闘する作家が抱く学校のビジョンも取材している。

大事なのは「英語・プログラミング言語・日本語」

子どもにどんな教育を受けさせればいいのかーー。どの親も悩むだろう。そんな親の新たな選択肢の1つとなりそうな学校が生まれようとしている。その名も、MIRAI小学校。作家の竹内薫さんが2017年の開校を目指し、現在、自治体などとの詰めの作業に追われている。

『プレジデントファミリー』2016冬号から、21世紀型教育実践校に共通した3つのキーワード

竹内薫さんといえば、『理系バカと文系バカ』『99・9%は仮説』などのベストセラーを生み出した作家で、NHK「サイエンスZERO」のナビゲーターとしても知られる。東京大学の2つの学部を卒業後、カナダの大学院で理学博士を取得。英語も堪能で、翻訳家としても活躍する、まさに21世紀型の知性を体現する人物だ。

その竹内さんが目指すのは「日本語+英語+プログラミング言語」のトライリンガル教育である。

「今後、グローバル化が進むのは確実です。だから、世界の人々とコミュニケーションするための英語習得は必須です。また、社会のコンピュータ化も加速し、高度な人工知能を持つロボットも登場するでしょう。すると、そのメカニズムを理解し、共に仕事をするために彼らを動かすプログラミング言語を使いこなす能力も求められます。こうしたスキルに加え、私たちが設立するMIRAI小学校では母国語である国語にも力を入れたい。思考を深めるプロセスには外国語ではなく、日本語こそが最適だからです」(竹内さん)