大手化粧品メーカーの美容販売員としてトップセールスを記録した南沢典子は自身の肌のトラブルによって従来の化粧品に疑問を感じ、独立して起業。東洋ハーブを配合したスキンケア商品を開発し、「すっぴん生活」を提唱、女性たちの支持を得ている。
女性社員も「すっぴん生活」を実践
肌を化粧して美しく見せるのではなく、心や身体の中から肌を整え、「すっぴん」の美しさを保つ。こうした考えにもとづいた「あきゅらいず美養品」(以下、あきゅらいず)のスキンケア商品がいま30~50代の女性たちに支持され、利用者を増やしている。
主力製品は洗顔石けん「泡石(ほうせき)」、パック「優(ゆう)すくらぶ」、保湿クリーム「秀(しゅう)くりーむ」の基本3点。
いずれも、10種類の東洋ハーブから抽出したエキス「草根木皮たまり」が配合されている。あきゅらいずを創業した南沢典子社長(47歳)が中国の研究機関と共同で開発したものだ。
肌荒れで困っていた女性たちは、あきゅらいずの製品を愛用している。中でも化粧が肌に合わなかったり、化粧嫌いの女性には絶大な人気だ。
南沢以下、あきゅらいずの女性社員たちも化粧なしの「すっぴん生活」を楽しんでいる。
同社製品は店舗で販売されておらず、派手な広告もしていないが、通販カタログや会員誌に自社で作ったチラシを封入する手法で、ネットや通信販売での売上を拡大している。現在の売上は15億円になった。
実店舗での取扱いがないだけに、コールセンターでの顧客との電話対応を重視し、その対応に感動した利用者がリピート顧客になる。
「電話対応に感激して、お客様が社員名指しでお礼状や果物などいろいろなプレゼントを当社に贈ってくださるんです。サービスですからお客様に満足してもらうのは当たり前。驚いて感動するようなサプライズを提供することが大切です」と、南沢は言う。
南沢は窓口サービスには4段階の「きく」があるという。相手の言葉をそのままとらえるのが「聞く」、コミュニケーションを取りながら相手の意図を探るのが「訊く」、相手が言葉として発していなくても背景の音や気配にまで気を配るのが「聴く」。そして、行動し、結果を実現する「利く」。自社の担当には「利く」ことを求めている。