大人気となっている『人生はワンチャンス!』と『人生はニャンとかなる!』。一見、かわいいペットを利用したあざとい本と思いきや、心に響く言葉と偉人のエピソードが真面目に綴られている。どのようにこのベストセラーが誕生したのか、著者を直撃した。
──かわいいペット写真と名言の組み合わせ、ありそうでなかった発想ですね。
水野敬也●慶應義塾大学経済学部卒。200万部を突破した『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)ほか、著書多数。恋愛体育教師・水野愛也として『LOVE理論』(文響社)、講演DVD「スパルタ恋愛塾」(ポニーキャニオン)なども手掛け、活動は多岐にわたる。

【水野】僕は自分が好きな言葉を書いて壁に貼っているのですが、人が来ると外してしまいます。でも、大事な夢や目標を恥ずかしく感じるなんて矛盾していますよね。何とかしたい、何とかすべきだ、と考えました。(共著者の)長沼(直樹)と試行錯誤をして至ったのが、誰が見てもかわいらしい犬や猫の写真があって、それに合った言葉を付けた本です。

まず始めたのは何万枚もの写真を見て、(犬と猫の)キャラがはっきりしているものを選ぶ作業です。その後で「あるべき言葉」を付け、偉人のエピソードと名言を国会図書館に通って探しました。

言葉より写真を優先したのは、読者が見ていく順番に従ったからです。本を開いてまず目にするのは「写真」。次に「ワンフレーズ」、そして「偉人のエピソードと名言」の順でしょう。

発想法の本などで、「意外性のあるAとBを組み合わせることで画期的なアイデアが生まれる」などと書かれていることがありますが、間違っていると僕は思います。僕たちの本は「犬の写真」と「名言」を単純に組み合わせたわけではありません。「大事な言葉を身近なところに置きたい」というコンセプトを全力で言い換えた結果に過ぎません。結果として組み合わせたように見えるだけです。