マンガワン」を巡る騒動で、小学館はどのような対応を取るべきか。桜美林大学准教授の西山守さんは「問題の深刻さは中居正広さんを巡るフジテレビ以上だ。対応を誤ると、フジが大打撃を食らった『ほぼ全CM自粛』以上の事態になり得る」という――。

マンガワン騒動で対応を誤った小学館

小学館が運営する漫画アプリ「マンガワン」で、「山本章一」名義で連載していた原作者が、未成年女性への性加害で逮捕・略式起訴され連載中止になったにもかかわらず、その後「一路一」へとペンネームを変えて別の漫画『常人仮面』の原作者として再起用されていたことが判明し、物議を醸している。被害者との示談交渉に小学館の担当編集が関与していたことも明らかになり、問題が深刻化している。

一路一(原作)、鶴吉繪理(作画)『常人仮面』(小学館)
一路一(原作)、鶴吉繪理(作画)『常人仮面』(小学館)

また時を同じくして、強制わいせつの罪で有罪判決を受け、集英社『週刊少年ジャンプ』の連載を打ち切りになった原作者が、マンガワンで『星霜の心理士』の原作をペンネームを変えて担当していたことも明らかになった。

小学館は自前の調査委員会を立ち上げる予定だったが、新たな事案の発覚を受けて、第三者委員会の形式を取ることを発表した。

こうした当初の小学館の対応に不信感を抱いた多くの漫画家が作品をマンガワンから引き上げたことで多くの作品が配信停止となり、計画していたイベントが相次いで中止になるなど、依然として事態は収束する気配はなく、小学館は大きなダメージを被るに至っている。

「フジ中居騒動」以上の深刻さ

本件は、タレント・中居正広氏と女性のトラブルに端を発するフジテレビの不祥事と類似している。今後の成り行き次第では、小学館は昨年フジテレビが陥ったのと同様かそれ以上の深刻な危機を迎える可能性もある。

小学館の件では、被害者が未成年であり、かつ加害者側が略式命令により罰金を支払っていること、民事訴訟でも加害者側に1100万円の損害賠償の支払いが命じられたことを考えると、起きた問題の深刻さで言えば、フジテレビの事案以上といって良い。

小学館がフジテレビのような危機的状況に陥らないためには、ここから適切な対応を迅速に講じていく必要がある。