小学館は記者会見を開くべきだった

すでにマンガワンから多くの作品の配信が停止になっていたり、小学館関連のイベントが中止になったりと、広範な影響が出ている。また、被害者の女性が週刊誌の取材に答えるなど、騒動は収まりそうにない。

第三者委員会の調査は、短くとも3カ月程度の期間を要する。その間は、調査への影響を考慮して、会社側が独自に調査を行ったり、情報発信したりすることは難しくなる。

小学館は文書レベルでの情報発信を行っているが、SNSやメディアで飛び交っている情報に対して十分な説明ができているとは言いがたいし、何よりもSNSやメディアの情報量にのまれて、自社からの情報が埋もれてしまっている。

第三者委員会の立ち上げの発表時にでも、小学館は記者会見なりを開催してしっかり説明をしたほうがよかったように思う。

小学館に限らず、出版社は社長をはじめとする経営陣が直接説明をする機会が少ない。いまの時代、経営者自らが発信しないと「責任を果たしていない」「逃げている」と言われかねない。特に、不祥事が起きた場合は、経営陣が矢面に立って事態と向き合うことが重要だ。

フジテレビ以上の「危機」が起きてもおかしくない

これから、小学館に求められることは以下の2点である。

● 第三者委員会の報告が出るまでの関係各所に説明を行い、理解を得ること
● 第三者委員会の結果を受けて、経営責任を果たし、再発防止策を徹底すること

第三者委員会の報告が出るまでにはしばらく時間がかかるが、各所からの風当たりは強まっている。

フジテレビの場合は、メディア報道が過熱し、スポンサー企業が離反し、アクティビストの投資家からさまざまな要求を出され――という順番で組織が追い込まれていった。

丹下健三設計のフジテレビ本社
写真=iStock.com/font83
※写真はイメージです

小学館の場合は、SNSでの疑念の提示から、メディア報道の過熱と漫画家の離反が起きている。今のところは一部漫画家によるマンガワンからの作品引き上げに収まっているが、この先対応に失敗すると、漫画やアニメ事業がさらなるダメージを受け、『少年サンデー』『スピリッツ』といった同社のメディアから作品ばかりではなく広告も引き上げられる――といった事態も起きかねない。

現段階では考えにくいが、小学館に大きな問題があることが確認でき、同社が根本的な対応を取らない場合は、書店やコンビニから同社の書籍や雑誌が引き上げられてしまうということも起るかもしれない。

小学館には第三者委員会の報告を待たずして、ステークホルダー(利害関係者)としっかりと向き合い、説明責任を果たしていくことが短期的には求められる。

また長期的には、第三者委員会の調査結果を問わず、企業の体質改善と再発防止の徹底が求められることは言うまでもない。

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