新型コロナウイルスの血液型ごとの感染リスクはなぜ違うか。大阪大学名誉教授の深瀬浩一さんは「O型は、少ないと血栓のリスクが下がることが知られる『フォン・ヴィルブランド因子(vWF)』の血中濃度が25%程度低いため、たとえ新型コロナウイルス感染症に感染したとしても重症化しにくい」という――。

※本稿は、深瀬浩一『血液型でわかる 病気とケガのリスク』(宝島社)の一部を再編集したものです。

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O型の「重症化しにくさ」の理由

「O型は新型コロナウイルス感染症に強い」と述べてきました。

O型には新型コロウイルスの「感染のしにくさ」以外にも、「感染症で重症化しにくい」という特徴があります。そこには、「O型の血栓のできにくさ」が関わっています。

新型コロナウイルス感染症による重症化では、血管内に血栓(血の塊)ができることで脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓といった、血栓が血管を塞ぐことで起こる「血栓症」を引き起こしやすいことがわかっています。

実際、重症患者の約3割に、血栓症が見られるという報告もあるほどです。

血栓症が起こる要因の1つに「サイトカインストーム」があります。サイトカインとは、おもに免疫細胞から分泌されるタンパク質で、細胞間の情報伝達を担います。現在、数百種類のサイトカインが発見されていますが、いずれも微量で強力な効果を発揮するのが特徴です。

通常、ウイルスに感染すると、免疫システムは特定のサイトカインを分泌して脳の発熱中枢を刺激します。すると皮膚の血管が収縮して汗腺が閉じ、体の熱が外に逃げずに体内にこもるようになります。

つまり、発熱するのです。発熱は免疫細胞の働きを活発にし、ウイルスの活動を鈍らせるための、体の賢い戦略といえます。